鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第二話
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している女性、蓮と銀のクラス担任である安芸先生だった。
「あーいや、忘れてたわけじゃなくて・・・そう!白鳥くんの案内をしてて・・・」
「ふーん・・・とのことだけど蓮君、本当?」
「本当ですよ。凄いわかりやすく案内してくれました」
?は言っていない。実際にわかりやすく説明してくれた。だが・・・
「じゃあもう終わったのね。さ、三ノ輪さん?職員室で理由を聞かせて?」
「アッッ(白鳥君助けて!)」
(ゴメン、どうしようもない。)
案内はもう終わった事を指摘され、目で蓮に助けを乞う銀。内心で謝りながらもうどうしようもないと目で伝える蓮。なすすべなく銀は職員室に引きずられて行き、お叱りを受けた。
乃木園子は少し変わった、いやかなりマイペースな小学生だった。
大赦の中でもトップクラスの名家である乃木家の令嬢として産まれた園子は、家の地位の高さから他の人間から疎まれる存在だった。それは幼稚園の時も、小学校でも一緒だった。自分のペースでいることが多い園子は差別され、周りの同級生からは『変人』のレッテルを貼られ、いじめられることもあった。友達なんて、夢のまた夢だった。
小学校に上がってからはいじめは無くなったが、園子にとっては『いじめ』も『無関心』も一緒だった。
神樹館5年生の今でもそれは変わらず、一人でいる事が多く、普段は寝て過ごしている・・・というか、気が付いたら寝ていることが多かった。それは自覚しているのかはわからないが、天然かつのんびりとした性格と、ボーッとするのが好きで気が付けばどんな場所であろうと寝てしまう、という彼女自身の問題でもあったが。
今日もそんな、代わり映えのない一日を過ごすのだろうーーーそう思っていた矢先。
昨日転校してきた男の子。白鳥 蓮が笑顔で『挨拶』をしてきた。
「おはよぉ〜」
「・・・!おはようなんよ〜」
蓮からすれば何気ない、同級生への挨拶。そこには何かの打算などはもちろん無い。
そんな普通のあいさつが園子にはとても嬉しかった。今までは無かった事だから。
昨日はクラスメイトに質問攻めにされ、昼休みは三ノ輪さんに学校案内を受けていた為、彼との交流は無かった。
自分から行ってもよかったのだが、もしも、彼が周りの人たちと同じだったら。そう考えると動けなかった。
だが、今の挨拶だけで十分だった。園子が彼を信じるには。
まだホームルームまで時間がある・・・園子は蓮の元へと向かった。
「れーくんはいつも朝早いの〜?」
「れ、れーくん?うん、まぁそうだね。えっと君は・・・」
「あれ〜忘れちゃった〜?昨日自己紹介したのに〜」
「ゴメンね。人数多いから・
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