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霊群の杜
囀り石
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体が、居なくなってしまったのか。


『石は、話なんざしねぇよ』


何処からか、良く知っている声がした。
『ありゃ、ただの媒体だ。んー、そうだねぇ…スピーカーみたいなものかねぇ』
―――じゃあ、そのスピーカーを通じて喋っているのは誰なんだ。
夢うつつながら、問いかけてみる。返事があるかは知らないが。
『…知ると、後戻りはきかねぇよ』
―――危険、なのか。
『スピーカーが転がっている分には危険はないんだよ。ただ、スピーカーを転がしておいた奴には、それなりの思惑がある』
―――思惑。
『俺ですら、抗いようがない。まぁ、そうだな』
それは持っておけ。そんな風に云われた気がしたが、俺の意識はもう眠気に呑まれていた。


『桜は、あと少しで咲くよ』


奉の声に重なるように、石の声が響いた。
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