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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第十七話「蒼鷹」
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クソッ
一体なんだったんだアイツは。エレギオは少しは信用に値する男じゃなかったのか、それとも全ては僕の勘違いだったという事か?
駄目だ、起きなくちゃ。僕の次はフェイトやアルフを狙うかも知れない、それは許されざる失態だ。
この際足の怪我は無理やり晶術で動かすしかない、それでどこまでやれるかはわからないけどこのまま眠っていては何もできない。
クソッ、開けよ。僕はアイツみたいに頭上でフライパンを鳴らされなければ起きられないような体質じゃない。

()くと思ってんのかなぁ?馬鹿だねぇ」

「………誰だ、貴様は」

リオンに、そう声をかけたのは体毛が蒼い鷹だった。それだけでも妙な生き物なのにその目は対照的に丸で血のように赤かった。到底マトモな生き物に見えず、リオンは本能的に身構えた。
蒼鷹は気に障るキャッキャッと言う声で鳴いて、(ここ)でも壊れている車椅子に乗っていたリオンの周りを飛び跳ねた。

「さぁ誰だろうなぁ?ま、それよりいい事教えてやるよ坊ちゃん」

そう言って蒼鷹は翼を広げた。

「テメェ殺されたんだよ」

「………は?」

「心臓ぶち抜かれて現世とさようならーってか?ああ、あのフェイトってガキも死んだな。
 そんでもってあのアルフって使い魔も……」

「止めろ!」

今まで剣士として幾多の修羅場を越えてきたリオンをしてそう叫ばせるほど……この蒼鷹の言っている事は凶悪だった。それは……リオンがこの世界に生まれた意味を完膚なきまでに否定するものだったから。リオンは堪らず絶叫した。

「黙れ……貴様の言う事など信じない!」

「キャッキャッキャッ!死んだよオマエ」

「五月蝿い」

「エレギオは信用できるような人じゃありませんでしたってなぁ」

「五月蝿い」

「そういやフェイトってガキ殺されるだけで済んだのかね?
 もしかしたら慰み物にされてるかも知れねぇなあ!!」

「黙れ!」

蒼鷹は尚も嘴を開けて笑い続けた。如何にリオンでもこれほどの悪意の塊は見た事が無い。感覚を麻痺させるような悪、リオンは下半身が今動かない事が悔しかった。足の一本でも動いたらこの蒼鷹の首を切り落してやるのに。

「そう怒るなって……そういやオマエ良い物持ってるよな」

蒼鷹はシャルティエを指差した。シャルティエはなぜか一言も発さない。

「ソイツの良い使い方教えてやるぜ………チョイとソイツでテメェの首を刎ねちまうのさ」

今度こそリオンは絶句した。必死の思いで口を動かしても言葉を紡ぐ事ができない。

「楽になるぜぇ。この現実なんてそうすりゃ無いも同然だからなぁ」

リオンが呆然としているのを見た蒼鷹は……軽く飛び上がって近くの木の枝の上に乗った。

「なんだできない
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