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レーヴァティン
第百八十五話 大騎馬戦その二

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「数が劣ってるとな」
「普通に考えられますね」
「ああ、地雷は使えるからな」
 久志は夕子に腕を組んだまま答えた。
「何かとな」
「そうですね、あれだけ役に立つものはありません」
「危険でな」
「ですから」
 それでというのだ。
「敵もです」
「使うのなんてな」
「当然です」
「そうだよな」
「有効な兵器や武器が世に出れば」
「どの国も使うな」
「刀や槍も然りで」
 そしてというのだ。
「銃もそうであり」
「地雷だってな」
「そうです、人が考えることは結局です」
「同じだよな」
「人種や民族宗教の違いなぞ」
「ないな」
「そうです、優秀だと自任する民族が優れた武器や兵器を生み出し使う」
 そうしたならというのだ。
「他の民族もです」
「使うな」
「近代兵器もそうですね」
「白人にしか使えないって思っていたらな」
「日本が使いました」
 黄色人種、当時の白人至上主義が存在していた国際社会から見れば劣っている筈だった人種の国であったがだ。
「そうしました」
「そうだよな」
「本当にな」
「ですから」 
 それでというのだ。
「どの兵器、地雷もです」
「敵が使うのもな」
「普通です」
「そういうことだな」
「若しそこで人種や民族や宗教の違いで相手を侮ると」
 源三は眉を顰めさせて言った。
「その時はです」
「命取りになるな」
「そうした偏見の価値判断は最悪の結果を生み出します」
「そうだよな」
「ですから今の私達の敵もです」
「地雷だってな」
「使ってきて」
 そしてというのだ。
「策もです」
「練っていますな」
「はい」
「それで敵の動きですが」
 また斥候が言ってきた。
「動きません」
「布陣してか」
「そのまま」
「それは間違いないな」
 久志はその斥候の話を聞いて鋭い目になって述べた。
「もうな」
「地雷仕掛けてるな」
 美奈代も言ってきた。
「もうな」
「ああ、地雷置いてるからな」
「自分達は迂闊に動かんで」
「それでこっちが来てな」
「それでや」
「俺達が数を頼みに攻めて来て」
「地雷を踏むの待ってるで」
 こう久志に話した。
「これは」
「そうだよな」
「それで地雷踏んでな」
「ダメージ受けてな」
「思わぬ爆発に驚いてる時にや」
「攻めて来るな」
「そのつもりや」
 美奈代も鋭い目で話した。
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