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レーヴァティン
第百八十五話 大騎馬戦その一

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                第百八十五話  大騎馬戦
 久志達は酒や温泉も楽しみつつ大軍をブダペストに向けていた、そしてその街まであと三日という時になってだった。
 久志は斥候の報告を聞いて強い声で言った。
「そうか、遂にか」
「はい、敵の軍勢がです」
 その斥候は久志に答えた。
「今まさにです」
「こちらに来ているか」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「我が軍とです」
「雌雄を決しようっていうんだな」
「その数五万、うち騎兵が三万です」
「騎兵がやっぱり多いな」
「後の二万は歩兵にです」
「砲兵か」
「砲兵は少なく空船はないです」
「空船はないか」
「あくまで騎兵が主力です」
 斥候は久志に話した。
「軍の左右に位置しています」
「それで中央は歩兵と砲兵か」
「そうなっています」
「典型的な騎兵中心の布陣だな」
 久志はここまで聞いて述べた。
「本当にな」
「そうだな」
 正は久志のその言葉に頷いて述べた。
「まさに騎兵で戦ってだ」
「雌雄を決しようってな」
「その考えの布陣だ」
「それが見て取れるな」
「ああ、しかしだ」
 正はさらに言った。
「兵の数はだ」
「五万か」
「それはな」
「俺達は二十万でな」
「数は四倍だ、そしてその兵の差はな」
 それはというと。
「敵もだ」
「わかってるよな」
「そのうえで正面からの戦を挑むならな」
「絶対に何かあるな」
「考えがな」
 敵にはというのだ。
「ある」
「それがない筈がないよな」
「そうだ、伏兵なりだ」
「別の策があるよな」
「そう考えることだ」
「そうだよな、じゃあ何かっていうことだな」
 久志は腕を組んで考える顔で述べた。
「一体な」
「あの」
 ここで別の斥候が久志に言ってきた。
「どうも前に土が掘られてまた埋められた跡がです」
「あるか」
「それもかなり」
「落とし穴か?夜見えない間に作ったか」 
 久志はその斥候の話を聞いて言った。
「そうか。それかな」
「地雷でしょうか」
 夕子は怪訝な顔で言った。
「落とし穴どころか」
「地雷か、それを置いてか」
「はい、私達が攻めてきてです」
「数を頼りにしてな」
「一気に攻めてきます、ですが」
「そこで地雷を踏んでな」
「損害を受け足止めもされて」 
 そしてというのだ。
「思わぬ罠に驚き」
「呆然となってな」
「動きが止まる、そこで」
「騎兵が一気に動いてな」
「急襲を仕掛けるのでは」
「有り得るな、っていうかな」  
 久志は腕を組んで述べた。
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