四十三 再来
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都の視線を受け、男は遺体を確認する。
パラパラ…とリストを眺めた。
桃地再不斬・猿飛アスマとめくられてゆく頁の中にある地陸の顔写真と、遺体の顔を見比べる。
「確かに地陸だ。今回は大物だったな、角都さんよ」
「ああ」
忍びの死体は情報の宝庫。死体そのものが換金され、保管される換金所の主人の言葉に角都は頷く。
渡された金の数を確認しながら、角都は問うた。
「コイツより高値の忍びとは、例えばどんな奴だ?」
「そうですな…」
ふむ、と顎を撫で擦りながら、換金所の主人はリストをパラパラめくる。
「例えば…元・霧隠れの忍び刀七人衆など高く売れるでしょうね」
「ふむ、なるほど」
金がギッシリ入った鞄をバタンと閉ざす。
口許を覆う布の下で角都はニヤッと笑った。
「そいつはいい金になりそうだ」
(見つけた)
火ノ寺近くの換金所。
その手前で堂々と座り込んでいる男の姿を遠くから見て取って、アスマは顔を顰める。
火ノ国全体に突然立ち込めた濃霧のせいでハッキリ見えないが、黒地に赤い雲。
間違いない。
『暁』だ。
木ノ葉の里から真っ先に向かった火ノ寺。
其処の僧侶から地陸の亡骸だけが見当たらないと聞き、遺体を持ち運んで換金所へ向かった可能性が高いと睨んだアスマは、他の小隊にその事を報告すると、すぐさま近くの換金所へ足を向けたのだ。
地陸は闇の相場で三千万両の賞金首となっている。五か所の内のいずれかの換金所。
それらを虱潰しに探すのが一番手っ取り早い。
そう判断して各小隊はそれぞれ、近くの換金所へ駆け出す。
同じく、火ノ寺からもっとも近い換金所へ向かったアスマの小隊は、現在、予想が的中したことに、緊張を高めた。
国境及び火ノ寺から半径百五十qを中心に二十小隊による包囲網を敷く。
蟻の這い出る隙もない。だと言うのにまだ誰も暁を見つけていないことに、五代目火影は焦れていた。
「ええいっ!まだ見つからんのか!!」
思わず声を荒げて机を叩く。火影室を叩くノックに、彼女は「なんだ!?」と苛立たしげに答えた。
「なにやら里が騒がしいですが…何かあったんですか?」
「カカシか…」
はたけカカシの顔を見て、綱手は一瞬、苛立ちを喉奥にしまい込んだ。
募る焦燥感を抑え、呼んでもいない相手をジロリと睨む。
「お前にはナルの身辺警護を任せているはずだ」
ナルの修行を見るのは表向き。
実際『暁』の目撃情報があった今、九尾の狐
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