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レーヴァティン
第百八十四話 馬封じその十二

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「中には」
「どうも古代の酒はアルコール度が低い様でな」
「その実はか」
「こうした酒もあったらしい」
 アルコール度が八度程ある酒もというのだ。
「実際にな」
「そうだったんだな」
「そしてこのビールは完全に液体だが」
「それがか」
「もっとどろりとしていてだ」
「元の穀物とかが残っていてか」
「お粥の様な酒だったらしい」
 昔の酒はというのだ。
「どうもな」
「そうだったんだな」
「それでそのお粥の様なものが濁酒になってな」
「清酒になったんだな」
「そしてアルコール度もな」
 これもというのだ。
「高くなっていった」
「そうなんだな」
「だが強い酒はな」
「あったんだな」
「そうらしい、そして酒はな」
 正は自分もビールを飲みつつ話していった。
「穀物から造るとな」
「ああ、穀物をそれだけ使ってな」
 久志は正が何を言いたのか察して応えた。
「それでな」
「兵糧を消費もするな」
「そうだよな」
「だから時としてな」
「兵糧の確保の為にな」
「酒を造ることを規制する」
「その必要もあるな、けどな」 
 それでもとだ、久志は飲みながらこう返した。
「そんなのな」
「破る奴がいるな」
「飲むなって言われてもな」
「酒はそうはいかない」
「麻薬以上にな」
「そうだ、だから密造をしてだ」
「密売する奴もいるな」
「禁酒法時代のアメリカもそうだった」
 一次大戦によるドイツそしてドイツ系アメリカ人への反感が彼等が扱っている酒への規制につながりかつそこにはピューリタン的な禁欲主義もあったという。
「飲むなと言ったが」
「飲む奴がいてな」
「もぐりの酒場が出来てな」
「密造や密売が横行してな」
「マフィアが儲けた」
「アル=カポネとかな」
「曹操も規制したが」
 中国三国時代のこの人物もだ。
「こちらは兵糧の確保の為にな」
「酒で国が亡ぶとか言ってたけれどな」
「その実はだ」
「兵糧の為だったな」
「そうしたが」
「もぐりばかりになったな」
「それは瞬く間に有名無実なものになってだ」
「皆飲んでいたな」 
 法で禁じてもだ。
「そうなったな」
「そうだ、酒はな」
「規制してもな」
「かなり難しい、だが穀物を使うことはな」 
 造るにあたってだ。
「覚えておくことだ」
「兵糧の確保の為にもな」
「そして産業として興すにもな」
 久志が考えているこれのことについてもというのだ。
「しっかりとだ」
「頭に入れてな」
「そしてだ」
「やっていくことだよな」
「麻薬は禁じられる」
 これはというのだ。
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