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レーヴァティン
第百八十四話 馬封じその十

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「身体冷やして水分も補給してな」
「酔いを醒ますんだな」
「しかもすぐ傍に温泉もあるやろ」
「あの湖の傍にはな」
「そやったらな」
「風呂にも入ってか」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「身体を温めてな」
「汗をかいてな」
「お酒を抜いてな」
「湖で冷やしてか」
 温まり続けて熱くなった身体をだ。
「それでか」
「また入るんや」
「そうすればいいな」
「そうしたらな」
「酒はすぐに抜けるな」
「ほんまお酒にはお水や」
 これが一番だというのだ。
「頭から冷たいお水どんどん浴びてすっきりする人もおるしな」
「そうだよな」
「この辺りは温泉が多いわね」 
 美奈代はビールを飲みつつ言った。
「本当に」
「ああ、一気にかなり増えてきたよな」
 久志も実際にと答えた、ブダペストに近付くと温泉が増えてきてそこに入る民も目に見えて増えてきているのだ。
「そうだよな」
「それもいいことね」
「だよな、じゃあ温泉もな」
「産業にするわね」
「観光資源にするか」
「それで旅行を多くして」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「やっぱりな」
「お金の行き来をよくするわね」
「ああ、そうしたらな」
 それでというのだ。
「産業にいいからな」
「やっぱりお金ね」
「産業を盛んにしてな」
「国を豊かにするのね」
「それが一番いいからな」
 国を豊かにする、このことがというのだ。
「だからな」
「そうしていくわね」
「ああ、温泉も使ってな」
 ここから観光産業をはじめてというのだ。
「そうしていくな」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「いや、温泉っていってもな」
 それでもとだ、久志は己の木のジョッキの中のビールを飲みほしてから言った、そのジョッキにはすぐに従兵がビールを注ぎ込み彼はその従兵に礼を述べた。それから美奈代に対してあらためて言ったのだ。
「日本とは違うわ」
「私達の世界の温泉とはね」
「湖みたいなのもあるしな」
「国もっと言えば世界が違うとね」
「温泉も違うか」
「ええ、東の浮島も多いらしいけれど」
「あそこは日本の温泉みたいらしいな」
 久志は英雄から聞いた話から述べた。
「何でもな」
「私達の世界のね」
「起きた時のな」
「昔の日本の趣というわね」
「有馬とかな、ただな」
 久志はソーセージを食べつつ話した。
「そこに魔物がいたりとかな」
「そうしたことはあるわね」
「この世界だとな」
「そこは違うわね」
「だから温泉を産業にするなら」
「温泉に結界を張ってね」
 モンスター除けのそれのだ、街や村にもそれは張っている。
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