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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第63話:希望を灯す大魔術
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 だがあの様子はどうだ。今の奏と響、そしてクリスには弱さなど微塵も感じられない。見ればカ・ディンギルの天辺からも光が立ち上っている。そこに誰が居るかなど考えるまでも無い。

「何だ、これは? 何が起こっている――!?」
「おいフィーネ!? ありゃ一体何なんだ!?」
「私に聞くな!? 誰よりも私が一番知りたい!? まだ戦えるだと? 何を支えに立ち上がる? 鳴り渡る不快な歌の仕業か? そうだ、お前達が纏っているものは何だ? 心は折り砕ける寸前だった筈!? お前の仕業か、明星 颯人ッ!? こいつらが立ち上がったのは何故だ? こいつらは何を纏っている? それは私が作った物か? お前達が纏うそれは一体何だッ!? 何なのだぁぁぁッ!?」

 朝日が昇り、戦場を日の光が照らす。その戦場から立ち上る4色の光の柱。

 崩壊したカ・ディンギルの頂点に、青い光に包まれた翼。透の傍には、彼を支えるクリスが赤い光に包まれている。そして颯人の後ろに立つ奏と響からは、黄色と燈色の光が溢れている。

 光が限界まで輝き、弾けた瞬間4人の戦姫が空へと飛び立つ。

「シンフォギアァァァァァァァッ!!」

 朝日を背に、色鮮やかに光り輝く羽を広げる4人の戦姫。

 彼女らの雄姿に颯人は、何時の間にか近くに来ていた透と共に笑顔を浮かべた。
 そして颯人は、徐に懐から一つの指輪を取り出した。

「さぁ、クライマックスはこれからだ!」

 取り出したのは、アビスでは使えなかった指輪。だが今なら使える、そんな気がする。理屈ではない、心がそう確信しているのだ。

〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
「変身!」

 颯人はその指輪――フレイムドラゴン・ウィザードリングを嵌めた左手をハンドオーサーに翳す。すると今度はハンドオーサーが確かな反応を返した。

〈フレイム、ドラゴン。ボー、ボー、ボーボーボー!〉

 普段と同じプロセスで変身する颯人だったが、彼を包む魔法陣の放つ炎は何時もより激しい印象を受ける。

 そして魔法陣が彼を包んだ瞬間、彼の意識は闇に閉ざされた。

 突然黒一色となった視界。しかし颯人の心に困惑は無かった。ここがどこで、目の前に何が現れるのかを察していたからだ。

 彼の目の前に現れたのは一体のドラゴン。白銀の体を持つ、雄々しい体のドラゴンだった。
 颯人の前に降り立ったドラゴンは、その力強い双眸で颯人を見据える。それはまるで獲物を品定めしているかのようであった。

 そんな視線を受けて、颯人はドラゴンに対し挑発的な視線を返した。

「――――来いよ。今の俺は絶好調だ。お前を絶対満足させてやれるぜ」

 その言葉を理解したのかは分からない。だがドラゴンは一声鳴くと、
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