暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第63話:希望を灯す大魔術
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一丁やってやるよ!」

 準備が粗方完了した時、奏がそんな事を口にした。その言葉に颯人は噴き出すのを堪えるのに必死だった。流石奏だ。良く分かっている。

――こいつは応え甲斐がありそうだぜ!――

 颯人は奏の演出を待った。
 そして――――――

1(ワン)!……2(ツー)!……3(スリー)!」

 奏が3秒数え、最後に指をパチンと鳴らした。それを合図に、颯人は仕掛けを動かし彼の周囲で花火が弾け派手な音と火花が辺りを包んだ。

 煙と紙吹雪の中をゆっくりと歩み出た颯人の姿に、奏と響は嬉しそうな顔をしている。

「ったく、遅いんだよ!」
「良かった、本当に――――!」

「「颯人(さん)!!」」

 2人の声に颯人はウィンクを返しながら帽子のツバを人差し指で押し上げる。

 その一方で、メデューサは現れた颯人に驚きを隠せなかった。

「な、何だとッ!? 貴様、生きていたのかッ!?」
「ふっふ〜ん! どうよ俺の脱出マジックは? 思わず本気で死んだと思っただろ?」
〈テレポート、プリーズ〉

 メデューサを口先で揶揄いながら、颯人は魔法で奏達の傍に移動した。彼の出現に完全に調子を狂わされたメデューサ達は、彼の姿を忌々し気に睨んだ。

「ケッ! 死にぞこないが、随分と余裕ぶっこいてんな?」
「そりゃ余裕だからな。何しろここからは俺のステージだ」
「何?」

 颯人の言葉にフィーネが怪訝な顔をする。

 同時に、颯人が耳に装着している小型通信機に未来の声が響く。

『颯人さん、こっちの準備は出来ました!』

 通信機から聞こえた声に颯人は笑みを深め、チロリアンハットを被り直すと両手を広げて声を上げた。

「レディース、アーンド、ジェントルメーン! 長らくお待たせしました! 今宵行う大魔術! 奇跡の手品師の息子、明星 颯人のマジックショーの開幕だ!!」

 今この瞬間、颯人が立っているのは戦場のど真ん中ではなく大舞台の上だった。そこは彼が世界で最も輝ける場所。そこに立った時、彼は万能感に包まれどんな不可能も可能にできる気になる。いや、気になるではない。出来るのだ。

「強大な力に敗れ、心折られそうになった戦乙女達。その彼女達に、今から奇跡で新たな力を授け、蔓延る悪を見事打倒してみせようじゃないか! ここから先は瞬き禁止! 刮目せよ!」

 三本の指を立てた右手を上げ、颯人は声高らかに告げた。

3(スリー)!」

 地下の未来たちはそれが合図だと分かった。だから待った。その瞬間を。

2(ツー)!」

 フィーネ達は何が起こるのかと警戒した。あの颯人の事だ。無意味な事はしないと、いい加減分かった。

1(ワン)!!」

 奏は信じ
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