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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第63話:希望を灯す大魔術
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ウィズが著しく魔力を損ねてしまう。
しかし――――――
「…………可能性に賭けてみるか」
「え、何?」
よく聞こえなかったウィズの呟きを颯人が聞き返すが、ウィズはそれには取り合わず颯人が見た事の無いウィザードリングを取り出し右手に嵌めた。
変わったウィザードリングだ。右手に嵌めるタイプの装飾は琥珀色の魔法石ばかりなのだが、そのウィザードリングの装飾に使われている魔法石は赤い色をしていた。
初めて見るウィザードリングに颯人が首を傾げていると、ウィズはハンドオーサーにその指輪を翳した。
〈ホープ、ナーウ〉
ウィズが魔法を発動すると、颯人の真下に鮮やかな赤い魔法陣が広がり彼の体を光が包み込んだ。光は眩いが、温かくとても心地いい。それに何処か懐かしさを感じさせる光だった。
颯人が光に包まれていたのは僅か数秒ほど。だが光が収まった時、颯人は己の身に起きた変化に驚愕していた。
「ん? えっ!? き、傷がッ!? それに魔力もッ!!」
先程まで満身創痍だった体は戦う前と同じ状態に戻り、傷もなければ体力も魔力も万全の状態になっていたのである。
「お、おいなんだよそれ!?」
こんな魔法は今まで見た事が無い。これがあれば助けられる命もあったのではないかと、颯人は抗議混じりに問い掛けた。
「……こいつは希望だ」
「希望?」
「そうだ。ありえない事を覆し、絶望を振り払う希望の魔法だ。だが扱いが非常に難しい。一歩間違えば不幸を撒き散らすかもしれない。だからおいそれと使えなかったんだ」
颯人はウィズの手からそのウィザードリング――ホープ・ウィザードリングを借りしげしげと眺めた。
こうして手に取って見ると分かる。確かにこのウィザードリングは他のとは違う。彼が今まで手にしてきたウィザードリングとは、根本的に違う力を感じていた。
暫く眺めた後、颯人は指輪を一度握り締めその感触を確かめてから返した。ウィズは受け取った指輪を素早く懐に仕舞った。随分と大事にしている。
「あ! そう言えばあの新しい指輪、結局使えなかったんだけど?」
別に使えなくても良かったが、それはそれこれはこれだ。使える指輪は多いに越した事は無い。
「あれはお前の魔力を更に引き出す指輪だ。私の見立てではお前はあの指輪を使える筈だぞ」
「じゃあ何で?」
「気持ちの問題だろ。気合が足りなかったんだ」
「え、気合の問題なの?」
「物の例えだ。本気で自分の中の魔力を掌握する気でやってみろ。私から言えるのはそれだけだ」
そう言ってウィズは踵を返しその場を離れた。颯人もその後に続こうとしたがそれはウィズに止められる。
「お前は向こうへ行け。地下施設内に避難してきた者が居る。上の状況は私が
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