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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
最終章へと向かうその前に…
約束と町興しと大事なランタン
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始まりは…ささいなものだったのかもしれない。

「こんなメスになったんじゃ…もうどこも相手してもらえねぇナ?いっそのこと開き直っておれの嫁になるかい?マソ犬?」
「ぼくっ…なるよぉ?ううん、ならせてくださいっ?ごしゅじんさまの…おえいちゃんのおよめさんっ?」

いつかの日、
自分の罵倒にマイはこう答えたのだった。

出任せかもしれないけど、それは妙に心に残った。
せっくす中のおふざけだと片付けたが、日に日にそれは心に濃く残り続ける。
おれ自身…それは本気なんじゃないかと思いだした。
馬鹿みたいかもしれないが…あれはマイの本当の気持ちなんじゃないかと。

だから、あの時告白した。

「くぅ…くぅん?」

数日後。
お散歩ぷれいからのふたなり逆あなる前立腺ガン責め野外プレイの最中のことだ。
公園のべんちに座るおれに艶のある声で擦り寄るマゾ犬…じゃなかった。マイを見ておれは今しかねぇと決心した。

「相変わらず気持ちよさそうに喘ぐマゾ犬サ。でだ、そんなマゾ犬に今日大事な知らせがある。」
「わ、わうっ!?」

まさか飽きたから捨てられるんじゃないか。そう思ったのだろうかマイは驚いた顔をしていた。
そんなわけあるか。

「お手。マゾ犬…お手だ。」
「…?」

首を傾げながらもマイはご主人であるおれの言うことを素直に聞き、おれの前に右手を差し出した。
そうしておれは、彼の薬指にはめたのだ。

「…わ、わん。」
「人間の言葉で喋っていいぞ。」
「お栄ちゃん…これって…?」
「"ぷろぽおず"って言うんだろ?まぁ平たく言うとあれサ…おれの…嫁になっとくれ。」
「…!!」

さらにびっくりした表情をして、指輪を見て、おれの顔見て、また指輪を見る。

「ほんとに…いいの?」

両手で覆うように口を抑えたかと思えば今度は泣き出した。

「ああ。」
「僕がお嫁さんで…いいの?」
「本気も本気サ。おれはマイと夫婦(めおと)になりたい。絵を描くことしかできないおれだけど…いつも幸せにしてやれるかは保証できないけど…おれはマイと…ずっと一緒にいたい。」

「お栄ちゃん…!」

手をぎゅっと握られる。
崩壊世界、夕暮れが橙色に染め上げる壊れかけた遊具だらけの公園で、
おれはマイと結婚することを約束した。







「ってなことがあったわけサ。」
「何もかも狂ってやがる…!!」

感動風に仕上げてるけど何から何まで狂ってやがるからな。
てか疑問に持てよ。なんで男のお前がすんなり「お嫁さんになります」とか言ってんだよ。

「男女が逆転してるんですがそれは…。」
「だからさっき言ったろ?おれは嫁入りして二日半で追い出された事があるって。じゃあおれが夫になりゃ
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