第8話
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されましたか?」
「貴重な文化財をここまで破壊するなんて・・・」
「そうですね。 自分たちの世界の歴史だというのに、何の迷いもなく破壊してしまうとは」
ゲオルグはそう言って、シャッハと同じように石像に目をやった。
そして小さく首を横に振ると、シャッハの顔を見つめた。
「それにしても、お見事な腕前でしたね、シスター・シャッハ。
今回はご協力いただけて大変助かりました」
ゲオルグがシャッハに向かって笑いかけると、シャッハもそれに応じて笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。 ゲオルグさんこそさすがです。
よろしければ今度お手合わせいただきたいです」
「ええ、よろこんで」
そして、彼らは撤収するべく動き出した。
2日後。
作戦終了後の後始末を終えたゲオルグたちは、本局へと帰還した。
シャッハと別れて情報部のフロアに戻ったゲオルグは、部下たちに帰宅してよい旨を告げた後
ヨシオカ1佐の部屋へと向かった。
扉をノックして部屋に入ると、ヨシオカのデスクの前で立ち止まった。
「任務終了しました。 数名の軽傷者は出ましたが、全員無事帰還しています。
聖王教会のシスター・シャッハも無傷です。
テロ集団は現地フリーレンの治安部隊に引き渡し済みです」
ゲオルグの報告をそこまで聞くとヨシオカは手のひらをゲオルグに向けて
その報告を止めさせた。
「そっちは心配してないんだよ。オマケだからな」
憮然とした表情でヨシオカがそういうと、ゲオルグは苦笑を浮かべて小さくうなずいた。
「そちらも滞りなく終わりましたよ。
向こうの捜査機関でも奴と今回引き渡したテロ集団との間のいざこざの結果として
殺害されたとの線で捜査が進んでます」
「そうか、ご苦労。 うまくやってくれたようで安心した」
ゲオルグの簡単な報告にうなずいて、ヨシオカは微笑を浮かべていた。
「まあ、台本通りに事を運ぶだけですから」
肩をすくめてゲオルグは立ち上がると、部屋から出ようとドアに向かって
一歩を踏み出した。
「あ、そういえば」
ドアノブに触れようとしていたゲオルグは、直前で手を止めると背を向けていた
ヨシオカに向き直った。
「俺、はやてのとこにいくことにしましたんで」
「ほう、決断したか」
ゲオルグの言葉にヨシオカはにやりと笑って、デスクに肘をついて組んだ両手の上に顎を乗せる。
「ええ、まあ」
「八神のことを疑ってる、みたいなことを言ってた割にはあっさり決めたな」
「1佐の仰せのように胸襟を開いて話した結果ですよ」
そう言ってゲオルグはまたドアに向かった。
「シュミット」
ドアノブに手を触れたゲオル
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