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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第8話
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向かって
飛んできた。

「交差点まで後退して態勢を立て直す。 攻撃に備えろ」

了解、と口々に声を上げてゲオルグの指示に従って後退していく隊員たちの
殿に立って、ゲオルグは敵の攻撃に備えつつゆっくりと後退していく。

爆発によってあがった土煙の向こうから多くの足音と話し声が響く。

ゲオルグがあと少しで交差点に到達するというところまで後退したとき、
いくつもの銃声が響いた。

土煙の向こうから空気を切り裂いて飛んできた弾丸がすぐそばをかすめていく中、
ゲオルグは交差点の角の向こうに飛び込んだ。

そこには厳しい表情を浮かべる彼の部下たちとシャッハがいた。

「班長、どうされますか?」

不安げに尋ねてくる隊員に向けて軽く手を挙げて応じたゲオルグは、
レーベンに遺跡の地図を開くように言った。

すぐさま目の前に画面が現れ、そこに映った地図をゲオルグは見つめる。
数秒間考えてから隊員たちの方を振り返り、口を開いた。

「通路を迂回して敵の後背に回り込む。俺が行くから何人か同行してくれ」

ゲオルグが短くそう告げると、ややあって2人の隊員が手を挙げた。

「よし、2人はついてこい。 他のものはここで敵を食い止めろ
 曹長、指揮を頼む」

あとの指揮を任された曹長が"はい"とうなずくのを見ると、
ゲオルグは踵を返して通路を奥へと歩き出そうとした。

「お待ちください」

そのとき、ゲオルグを呼び止める声がした。
シャッハだった。

「なんでしょう?」

ゲオルグはシャッハの方に向き直り尋ねた。

「私も同行させていただけませんか?」

シャッハの申し出にゲオルグは表情を曇らせた。

「しかし、危険ですよ? 貴女に負傷でもさせたら私が叱られてしまいます。
 ここで待機していただいたほうが安全ですよ」

「私だってAAAランクの陸戦魔導師です。 足手まといにはなりません。
 それに・・・」

真剣な顔でなおも食い下がるシャッハはそこで一旦言葉を切った。
そして微笑を浮かべた顔をゲオルグに向けた。

「貴重な文化財に傷をつけるような輩には、私の手でお仕置きをしたいのです」

ゲオルグはスンと鼻を鳴らすと、大きく一度息を吐いた。

「わかりました。 お願いします」

そう言ってゲオルグは再び踵を返し、狭い通路を走り出した。





10分後。
ゲオルグたちは細く曲がりくねった通路を抜けて、
敵集団の後背に回り込んでいた。

最後の曲がり角を前に、彼らは立ち止まって敵の様子をうかがっていた。

敵の数は10あまり。
銃声と魔砲撃の応酬の音が何度も通路に響き、すでに敵の何人かが
床に倒れているのが、ゲオルグの位置から遠目
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