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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?(第8幕)
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、元々この場では内容を伝えるつもりは無かったんだ。その証拠に、ここに来る前にピエッサちゃんに会って、明日学校が終わった後に君を連れて城へ来る様に伝えてあるからね。元々から仕事内容は明日話す予定だったんだよ」

「そ、そうでございましたか……」
ちょっとだけホッとした。
だがわざわざこの店までいらっしゃったのだ……多少は内容を話されるつもりだったのだろう。私はまた陛下の優しさに救われた。

「そ。だからホントは今日お店まで押しかける必要性は皆無だったんだけど、僕の我が儘で押しかけちゃった。あの僕のことを“オッサン”って呼んでるウェイトレスの()には申し訳なかったけどね(笑)」

「あ、あの()陛下にそんなこと言ったんですか!?」
「いや……直接は言って無いよ、流石に。でもほら、僕って冒険者だったこともあるじゃん。だから小声でも聞こえちゃうんだよねぇ(笑)」

「キツく叱っておきます!」
「お手柔らかにね。王様云々は兎も角、お客さんに対しては優しく笑顔で接してあげてって」
陛下は優しすぎるぅ。

「で、さぁ……詳しい仕事内容は言えないけど、多分きっと引き受けてくれるだろうと思ってるから、報酬を先払いしようかなって思ってるんだ。あぁ勿論、依頼を断っても“報酬返せ”とは言わないよ」

「そ、そんな……報酬なんて不要ですわ!」
「いやいや、報酬が支払われないと『仕事』とは言わないから、仕事の体をなす為にも報酬の支払いは絶対条件なんだ。今回の依頼内容にも関わってくることだからね」

「そ、そうなのですか……で、では」
「うん。でね……単純にお金で支払う報酬でも良いとは思うんだけど、不思議な事にお金って使うと無くなるじゃん」
い、いや……不思議では無いですけども……

「それよりも、この報酬でよりお金を儲けることが出来た方が良いと思ったんだよね」
「より儲けることが出来る……ですか?」
如何言うことだろうか?

「そう……曲を報酬としてプレゼントして、アイリーンちゃんの能力(才能)で世の中に広めて、序でにお金も儲けちゃえば完璧じゃんって事」
「……………きょ、曲を!!??」

「しー。まだ他にもお客さんが居るから……」
「す、すみません!」
あまりの事に、また大声を上げてしまった。

「ピエッサちゃんからも聞いたけど、もう盗作は止めて既存の曲を弾くことで実力を世に示してるみたいだけど、これは君にあげるから自作の曲として世に広めて構わないよ」
これはありがたく嬉しいことだが、はっきりと断らなければならない。

「陛下……とてもありがたく光栄な申し出ではありますが、私はもう二度と他者の曲を自作だと偽るのは致しません。仮に陛下より賜った曲を自作と偽り世に出したとしても、それを基準に私の才能
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