君と過ごせる特別な日(爽々波純バースデー2020)
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深呼吸すると、花瓶に赤いハナキリンの花を飾り、大好きな王子様の為に朝食を作る。
ガーリックトーストの匂いが漂ってくる頃、王子様は目を覚ました。
「おっ、おはよジュンくん……ッ!」
「おはようクリスちゃん。今日は早いね?」
「たっ、たまにはいいだろ?」
「うん、そうだね。クリスちゃんの作る朝ごはん、楽しみだよ」
そう言って純は、顔を洗いに洗面所へと向かう。
クリスはもう一度深呼吸すると、響達に隠し続けていた紙袋を抱えた。
(何とか間に合ったけど、ジュンくん気に入ってくれるかな……?)
洗面所から純が戻ってくるまで、そう時間はかからない。
もうすぐ、渡さなくてはならないのだ。
(き、きっと大丈夫だ。ジュンくんなら、受け取ってくれる。あたしが王子様を信じなくてどうすんだ!)
「クリスちゃん、どうしたの?」
「ひゃうっ!?」
戻って来た純を見て、思わず肩を跳ねさせてしまうクリス。
首を傾げる純に、クリスは紙袋を突き出した。
「こっ、これ……その……お、おお……誕生日、おめでとうッ!!」
「ッ!クリスちゃん、今日のために……?」
純の顔を真っ直ぐに見つめ、クリスは首を縦に振る。
「驚かせようと思って……。多分、バレてたかもしれないけど」
「まあ、ね。けど、何を用意してたのかは予想も出来てないから、何が入ってるのか楽しみだよ。開けてもいいかな?」
「うん……その、初めて作ったから、上手く出来てるか不安だけど……」
紙袋を開けると、中には赤い毛糸で編まれたセーターが入っていた。
「セーター……これ、クリスちゃんが編んだのかい?」
「寒くなってきたし、手作りしたら喜んでくれるかな……って」
純はセーターをじっと眺めると、クリスの顔を真っ直ぐに見つめて微笑んだ。
「ありがとう、クリスちゃん。大事に使うよ」
「お、おう……」
「早速、着ていいかな?」
「今からか!?ま、まあ……別にいいけどよ……」
そっぽを向いて頬をかくクリスを見つめながら、純はセーターに袖を通す。
「うん、ピッタリだ。それにポカポカで暖かい……よく出来てるね」
「そりゃあ、よかったよ……」
照れ臭そうな様子のクリスを見て、純は彼女へ向かってそっと腕を伸ばした。
背中に腕を回され、自分の体が温かさに包まれるのを感じて、クリスは自然と純の背中へと腕を回す。
「ありがとう、クリスちゃん。最高の誕生日だ」
「バカ……。来年はもっと最高のプレゼントを用意するっての……」
「フフッ……なら、僕もお返ししなきゃね。今度は、クリスちゃんの誕生日に」
「ん……楽しみにしてる」
2人は互いの温度を感じながら、唇を交わす。
大好きな人の熱を全身で感じながら、幸せな時
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