妖精たちのクリスマス
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宿で泥酔した彼女たちの荒ぶりようは半端じゃなかった。あの時の悪夢が蘇り、コップを持つ手が震える。
「あ・・・」
どうすればいいのか悩んでいると、俺はある結論に至った。
「ナツさん、グレイさん」
「どうした?シリル」
「あとお願いしますね」
「「??」」
俺の言葉に顔を見合わせる二人。俺は意味がわかっていない二人を横目に、ウェンディたちと同じ飲み物に手を伸ばす。暴走した彼女たちを止める術がないなら、俺も酔っちゃえばいいんだ。そうすればいいんだ。
グレイside
「「「・・・」」」
大盛り上がりだったはずのクリスマスパーティ。だが、今俺たちは顔を真っ青にしている。
「またやっちまったー!!」
「酒が足りんぞ!!」
「切ない・・・冬って切ないです」
「レビィちゃんおんぶー」
「あはははは」
「あんたはロバよ!!いい!!ロバなのよ!!」
「あい」
目の前に広がる絶望的な光景。酒に酔ったエルザたちが合宿の時のように我を忘れてしまっているのだ。
「シリル〜、可愛いよぉ」
「ウェンディの方が可愛いよぉ」
さらに言えばあの時よりも状況が悪化している。合宿の時は俺たち側にいたはずのシリルが酔い潰れてウェンディとキスしまくっている。見てる分には女の子同士のイチャイチャしている姿なのだが、あいつも向こう側に行ってしまうと非常にたちが悪い。
「どうなってんだこりゃー!?」
「グレイ!!逃げるぞ!!」
「おう!!」
何が起きているのかわかっていないガジルには悪いが、俺とナツはここから立ち去ろうと走る。しかし・・・
「どこ行くつもりかー!?」
エルザの手から投じられた剣が扉へと突き刺さり、硬直してしまう。
「「酒をつげーい!!それができないなら・・・酒をつげ」
「同じこと二回言ってる!!くふ・・・あはははは!!」
「グレイ様はジュビアをおいて帰っちゃうんですか?」
「ねぇ、もっと遊ぼうよ。ねぇねぇ」
「お星様がチカチカするよ〜」
「あんたたちはトナカイなのよ!!」
「あい」
「イヤ・・・俺は違うぞ」
振り返るとどんどん状況が悪化していることに気が付く。しかし、それでもなんとか逃げようと画策していると・・・
「ナーツさん」
「グレイさん」
俺とナツの抱き付いてくる二つの影。それは先程から二人で一目も憚らずキスをし続けていた幼子コンビ。
「ウェンディ!?」
「シリル!!正気を取り戻せ」
無駄だとわかっていても抵抗はしておくもの。だが、この二人の酔い方は俺たちの想像を遥かに越えていた。
チュッ
「「!?」」
ナツに抱き付いていたウェンディ、俺に抱き付
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