妖精たちのクリスマス
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のが目を見開き硬直してしまっていた。
「あ・・・ごめんなさい・・・」
「いや・・・」
「俺らこそ悪ぃ・・・」
ただ、それがよかったのか三人も争うのをやめてくれて、静かに作業に入っていく。珍しく声を上げた俺は恥ずかしさと気まずさでなんとも言えないけど、何事もなかったかのように作業へと戻っていった。
「ナツゥ!!」
「シリル〜!!」
日が暮れて辺りが暗くなり始めた頃、ようやく皆さんも掃除が落ち着いてきたのか、ハッピーとセシリーがこちらへと戻ってきた。
「うわぁ!!ずいぶんキレイになったね!!」
「おう!!あと少しでピッカピカだな!!」
「さんざん大騒ぎしてましたけどね・・・」
「全部聞こえてたよ〜」
そう言って大笑いするナツさん。ただ、彼とグレイさんが度々言い争うをしていたせいでこんなに遅くなってしまったので、少しは反省してほしい気もする。
「あとどのくらいで終わるの〜?」
「もう本当に少しで終わるよ」
まもなく夜になるため、本格的にクリスマス気分に突入していきたいセシリーが急かして来るけど、気にせず掃除を続ける。すると、何やら今いる場所が揺れたような気がした。
「あれ?なんか今揺れませんでした?」
「あぁ?そうか?」
隣にいるガジルさんに顔を向けるが、彼はこちらを見向きもせずに作業に集中している様子。ナツさんも俺と同様に違和感を覚えていたが、グレイさんにあっさり否定されていた。しかし・・・
「おい!!やっぱり揺れてんぞ!?」
「そうですよね!?揺れてますよね!?」
「風じゃねぇか?」
「黙って掃除しろ」
確実に全員が感じられる揺れに戸惑っているナツさんと俺。しかし、グレイさんたちは全然気にしていない。
「ってオメェか!?グレイ揺らすな!!」
「はぁ!?誰が・・・」
再び言い争うを始めた二人だったが、すぐに異変が襲ってきた。それは・・・
「うぷっ・・・」
ナツさんの顔が真っ青になったこと。
「あぁ!!ナツ吐くな!!せっかくキレイにしたんだぞ!?やめろぉ!!」
滅竜魔導士特有の乗り物酔い。ナツさんはそれに特に反応しやすいため、この鐘のわずかな揺れで吐きそうになってしまったのだ。それを慌てて上段部分を掃除していたグレイさんが食い止めようと彼の口を塞ぐが・・・
「「「「うわああああああ!!」」」」
ゴーン
それによりますます揺れが激しくなってしまい、盛大に鐘の音が鳴り響いてしまった。
「ちょっと!!」
「何をしている!?」
「揺らしすぎよ!!」
その音を聞いて集まってくるギルドの人たち。その間も鐘は鳴り響き続けており
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