妖精たちのクリスマス
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・・」
なんでもありな人だと言うのはわかっていたけど、最後までそれを貫き通していたことに驚きを隠せない。
「あれ?シリル?」
「おはよう?ウェンディ」
しばらくするとウェンディも目を覚ましたようで目を擦りながら視線をこちらへと向ける。皆さんも起こそうかと思ったけど、あれだけの騒ぎのせいで疲れているだろうし、起こすのもなんだか気が引ける。
「・・・帰ろうか?」
「・・・そうだね」
このままここにいても仕方ないのでシャルルとセシリーの尻尾を掴み、猫の姿へと戻してから二人を抱えて外へと出る。時刻はちょうど12時になるぐらいだったこともあり、辺りは暗く、雪が降り続いていた。
「うぅ・・・寒い・・・」
寝起きなこともあり寒そうに手に吐息をかけるウェンディ。それを見て、彼女の手に自分の手を伸ばし、握り締める。
「家まで手、繋いで帰ろ」
「うん!!」
セシリーとシャルルを抱える手とは逆の手をそれぞれ握り、指を絡ませる。その後しばらくは恥ずかしさが勝っていたからか無言だったが、ようやく口を開く。
「なんだかすごいクリスマスだったよね」
「色んな意味で忘れられないものになったよね」
エルザさんの暴走のせいできっと忘れることはないであろうクリスマスになった。ただ、さっきまでのはクリスマスイヴのパーティだった。つまり・・・
「ねぇ、ウェンディ」
「何?シリル」
「今日もしよかったら・・・うち来ない?」
そう言った瞬間、自分の言い方がなんだか変な気がして顔が赤くなったのを感じた。
「別に変な意味じゃないよ!!ただ一緒にクリスマスの夜でも過ごそうかなぁっと思っただけで・・・」
「うん。わかってるよ」
必死な俺の姿を見てクスクスと笑っているウェンディ。それに俺も合わせて笑ってみるが、きっとひきつっているに違いない。
「明日の朝まで二人きりで楽しもうね!!」
「うん!!」
手を繋いだまま軽い足取りで家へと帰る俺とウェンディ。大騒ぎのクリスマスパーティも楽しかったけど、二人だけの時間も楽しいに決まってる。そう思いながら自宅へと向かったのだった。
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