暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百八十三話 自害その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「絶対にな」
「いいことだ、この浮島は大河が多い」
 正はこのことは久志の言う通りだと答えた、そうしてそのうえで自分達の側を流れているドナウ川を見て言った。
「あの川にしてもそうだしな」
「ドナウ川もな」
「おおむねこの浮島は俺達の世界の欧州と同じだ」
「ウラル山脈までのな」
「北アフリカも入っているがな」
「そうだよな」
「だからだ、大河も多い」
 そう呼ばれる川もというのだ。
「実にな」
「欧州は川を使って栄えてきたってこともわかるな」
「そうだな」
「それじゃあその川をつなげてな」
「行き来をより楽にするな」
「そして浮島全体を豊かにするな、餓えとか貧しさをなくすこともな」
 こうしたこともというのだ。
「政の第一だしな」
「そしてひいてはだ」
 正は鋭い声で言った。
「世界を救うことにもだ」
「なるよな」
「餓えや貧しさはない程だ」
「やっぱりいい社会だよな」
「そうだ、そして世界もだ」
「幸せでな」
「いい世界となる」
 こう言うのだった。
「そしてだ」
「さらにだよな」
「この世界を救うということもな」
「世界の危機が何かまだわかってないにしてもな」
「飢餓や貧困のことかも知れない」
「この世界にもあるしな」
 その飢餓や貧困はとだ、久志は眉を顰めさせて言った。
「中世の俺達の世界の欧州よりは遥かにましにしてもな」
「あることはあるな」
「ああ、それじゃあな」
「そうしたことは政でだ」
「なくしていくべきだよな」
「そしてその大きな力にだ」
「川と川をつなげることはなるな」
 久志は考える顔になって述べた。
「そうだよな」
「その通りだ」
「それじゃあな」
「領土を拡大していってだな」
「そうしたこともしていくな」
 川と川をつなげる運河の建設もというのだ。
「これからな」
「是非共そうすることだ」
「かなりの金と人手がかかるけれどな」
「だがそれ以上の利益をだ」
「もたらしてくれるな」
「だからすべきだ」
「そうだよな、金と人手がかかってもな」
 例えそうでもというのだ。
「やる価値があるものってあるよな」
「だから俺達が起きた世界の欧州でも川と川がつなげられた」
「運河でな」
「そして中国でもな」
「大運河か」
「淮河を利用して長江と黄河を結び付けた」
 隋の煬帝がそうさせた、暴君として有名な皇帝であるがこの実績は後世になっても認められている。
「そうした」
「それで中国の流通が発展したな」
「黄河と長江、二つの穀倉地帯が結びついてな」
「どっちも経済規模も相当だしな」
「そして中国は本当の意味で一つになった」
「二つの経済圏が一つになってな」
「そして王朝が倒れ群雄割拠になってもだ」
 これは中国の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ