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召喚されし帝国
国交樹立
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ん」

リシュリーはノイラートにそう言うと、この場を去って行った。

その後ノイラートを含む外交官達が書類の整理や部屋の確認を始めた頃、アドラー指揮下のヴェアヴォルフ猟兵大隊と国家保安本部の諜報員達も行動を開始し、チュエルリー宮殿の地下室に、ガリアにおけるSSの総司令部が設置された。

「ついに我々はガリア王国内に大使館を設置するまでになり、国家保安本部も諜報網構築の為活動を開始し、それに伴い君達ヴェアヴォルフもいよいよ動く時がやって来た。ひとまずはこのリュティスの情報集取を行う為、都市の秘密偵察を最初の任務とする、良いか!我々の諜報活動には祖国ドイツの未来がかかっている!!それを肝に命じ、諸君達我がSSから選ばれし精鋭達の健闘を期待する、ジーク・ハイル!」

「「「ハイル・ヒトラー!!」」」

アドラー大佐が部下達にそう言うと皆一斉にナチス式敬礼を行い、そして目立たない格好をし、ある者は商業地区へ、ある者は貧民街へと赴いた。

二日後

早速ヴェアヴォルフは成果を上げはじめた。

先の偵察任務でリュティスの偵察任務が終わった後、ヴェアヴォルフの隊員達とSSのスパイ達は平民や商人、さらには貧民街を牛耳るマフィアを何人か買収し、情報提供者へと仕立て上げ、着々と諜報網構築をし、早速色々な情報がSSへと流れて来ていた。

「成る程、現在この国の国王の後釜を巡って派閥争いが起こりはじめているか…一方はジョゼフ皇太子の派閥だが、もう片方はジョゼフ皇太子の弟であるシャルル・オルレアン公か…かれは国民からの人気も高く、また優秀なメイジの為、国内の世論はシャルル推しが多いか…」

第VI局からスパイの総指揮を取る為派遣された、クラウス・ギュンターSS大佐はそう言呟くと早速シャルル・オルレアン公の資料を手にし、オルレアン公の情報を検閲した。

「シャルル・オルレアン公…記録によると12歳でスクウェアクラスに達した天才的なメイジであり、才能に恵まれながらも魔法に恵まれない兄であるジョゼフ皇太子を励ますなど高潔で思いやりのある人柄で、宮中の人々の多くに慕われ、次期国王と目されているか…情報だけを見ると清廉潔白な人物だな…あくまで情報だけだが…」

クラウスSS大佐は対外諜報機関である国家保安本部第VI局に配属になる前は第IV局、つまりゲシュタポに配属されていた。

その為、どんなに表向きは清廉潔白な人間であっても、いや清廉潔白な人間に思える人間こそ最大に用心すべきだと考えている為、クラウスSS大佐は清廉潔白で国民から人気が高いオルレアン公に対し本当に情報通りの人物なのかと疑いの目を向けていた。

「まぁ、何にせよ…我々としてはドイツとの繋がりが深いジョゼフ皇太子にガリア王になってもらいたいものだ…その為には協力は惜しまん…」
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