暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第269話「ただ突き進む」
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「一応聞いておこう。……なぜイリスに加勢している」

「貴方を超えるためよ」

 優輝の問いに、レイアーは“ギリ”と奥歯を噛んで答える。
 その視線には、憎しみのような強い“妬み”があった。

「め、滅茶苦茶敵視されてるよ?」

「……ある意味、かなり人間らしいな、お前は」

「貴方に何を言われた所で、ちっとも嬉しくないわ」

 嫉妬の感情を抱えている事に、優輝達も気づいている。
 神界の神が、一感情でここまで敵視しているのだ。
 確かに、ある意味“人間らしい”と言える

「……優ちゃん。あたしが……」

「葵だけじゃ厳しい。……それどころか、これは……」

 女神だけでなく、もう一人の神と“天使”もいる。
 何より、目の前のレイアーは、他の神と違う強さを感じた。
 それこそ、優輝と同じような、一縷の希望を掴み取るような……

「……僕と同じ“性質”だ。戦うには、もっと戦力が……」

「……なら、行きなさい」

「っ……優奈?」

「ここから先は貴方だけで行くのよ」

 優奈が一歩前に出て、そう言う。

「最低でも貴方をイリスへと辿り着かせる。そのためには、これ以上足止めはしない方がいいわ。……行って!」

「―――わかった!」

 全員、覚悟済みだ。
 優輝はそう確信し、一気に突き進む。

「行かせ―――」

「させないわ!」

 レイアーが何かする前に、優奈が仕掛ける。
 同時に、全員が一斉に動き出した。

「ぉおおおっ!!」

「ッ、ほう……!」

 優奈を攻撃しようとしたもう一人の神に、帝が攻撃する。
 それを受け止めた神は、笑みを浮かべながら敢えてそのまま押されていった。

「シュート!!」

「はぁっ!」

 なのはの魔力弾とフェイトの斬撃。
 さらには葵のレイピアの連撃に、アリシア達の霊術が繰り出される。
 その攻撃を以って、完全に優輝とこちらを分断させた。

「その神はなのは達でやりなさい!私と葵、それと神夜でそれ以外を対処する!帝は見た通り、もう一人の神を相手するわ!」

「人数的に逆やあらへんの!?」

「いいえ、これが()()()()よ!」

 思わず叫んだはやてに、優奈は冷静にそう返す。

「私達で、“天使”を足止めする。……その間に、何とか神を倒すのよ」

 人数で見れば、“天使”を担当する優奈達の方がかなり不利だ。
 しかし、なのは達六人をぶつけなければいかない程、レイアーは強敵なのだと優奈の勘が警鐘を鳴らし続けていた。

「っ……!」

「余所見とは、余裕ね!!」

「はやてちゃん!」

 レイアーの攻撃を、何とかなのはが凌いだ。
 
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