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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第61話:押し上げる者と飛び立つ者
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て質量も増した奏のアームドギアを完全に受け止めている。このまま押し返そうとするフィーネだったが、その時彼女は信じられない光景を目にする。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
巨大化したアームドギアを蹴り落とす奏。その隣に、翼が居て奏と共にアームドギアを蹴り落としていたのだ。ギア装者2人による蹴り落としに、障壁に掛かる圧力が増えフィーネは押し込まれる。
「ぐぅぅっ!? 手を貸せ!?」
「分かっている!?」
「へいへい」
〈〈アロー、ナーウ〉〉
巨大アームドギアを蹴り落としている2人を撃ち落とすべく、メデューサとヒュドラが魔法の矢を放つ。その瞬間を奏は待っていた。
颯人との訓練で分かった事だが、魔法使い達には魔力切れとは別に明確な弱点がある。
それは、魔法を切り替える時にどうしてもタイムラグが発生してしまう事だ。
プロセスとしては、指輪を取り換えハンドオーサーを2回反転させてから再び右手をハンドオーサーに翳さなければならない。この手順を踏まなければ、どんな魔法使いも魔法を切り替えることは出来ない。
「今だ翼ぁッ!!」
「分かっている!!」
翼はその場で奏のアームドギアの石突を踏み台に飛び上がると、自分のアームドギアを取り出しそれを巨大化させ、あろう事か奏の方に向かって蹴り落とした。
[天ノ逆鱗]
蹴り落とされた巨大な剣は、そのまま奏に向かって突き進む。
奏は自らに翼の巨大剣が直撃する寸前、その場で跳び翼の天ノ逆鱗を回避。翼のアームドギアはそのまま奏のアームドギアを越える程巨大なものとなり、翼を一気にカ・ディンギルに接近させる。
「何だと!?」
「やられた!?」
これこそが2人の狙いだった。『SPEAR∞ORBIT』でフィーネの動きを制限させ、魔法使い2人に迎撃させる事で魔法を固定。そして翼がアームドギアを限界まで巨大化させた『天ノ逆鱗』を使うことで、彼女をカ・ディンギルに接近させることに成功した。
フィーネ達は翼の追撃をしたかったが、フィーネは『SPEAR∞ORBIT』がまだ勢いを失っていない為防御を崩せず、メデューサとヒュドラは翼のアームドギアが邪魔をして魔法の矢が届かない。
完全にしてやられていた。
そのままカ・ディンギルに向けて飛ぶ翼に、奏が声を掛ける。
「行け翼ぁッ!!」
「承知ッ!!」
最早翼の邪魔をする者は誰も居ない。翼は新たにアームドギアの剣を2本出し、その刃に炎を纏わせた。
その姿は正しく、炎の翼を持った不死鳥の様であった。炎は赤から青に変色し、一気にカ・ディンギルの方向に突っ込んだ。幾ら外装が強固だろうと、内部は弱い筈。しかもそれが、エネルギーをチャージしている最中なら、少し突けばエネルギーの均衡を失い崩れる
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