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レーヴァティン
第百八十三話 自害その四

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「こうしてね」
「隠れていてな」
「狙っているわよ」
「術で姿を消していたな」
「ええ、暗がりの中だと」
 どうしてもというのだ。
「影も見えないから」
「それでだよな」
「わからないから」
「油断出来ないな」
「何時何処にね」 
「敵がいるかわかったものじゃない」
「もう最初から死ぬつもりでいるから」
 領主に忠誠を誓っている者達はだ。
「だからね」
「用心してな」
「進んでいってね」
「城を制圧していくか」
「そうしましょう」
「ああ、それじゃあな」
 久志は双葉の言葉に頷きそうしてだった。
 決死の覚悟で物陰に潜み戦う敵達を倒しつつ徐々に先に進んでいった、彼等の数は少なかったがそれでもだった。
「いや、何処にいるかわからないし」
「覚悟が凄いからな」
 久志は剛が斧で両断した貴族を観つつ彼に言った。
「だからな」
「強いね」
「最初から命を捨ててるとな」
「もう怯まないからね」
 それ故にというのだ。
「手強いよ」
「そうだよな」
「あと少しで領主の間なのにね」
「領主はそこにいるな」
「けれどそれまでの間が」
 領主の間に行くまでがというのだ。
「どうしてもね」
「厄介だな」
「うん、それでね」
 そのうえでというのだ。
「これからもね」
「慎重に進まないとな」
 こう言いつつだ、久志は。
 天井に向かって短刀を投げた、そうして。
 そこに潜んでいた敵の喉を貫いた、敵は即死して床に落ちたが久志はその敵を見てそのうえで剛に言った。
「こうした連中を倒しながらな」
「そうだよね」
「見事だけれどな」
「あちこちに潜んでね」
「命を狙ってるのはな」
「確かに見事だよ」
「忠誠を尽くしている奴は問題があっても」
 即ち領主はというのだ。
「それでもな」
「その忠誠心と闘志、工夫はね」
「見上げたものだぜ、若し戦の後帝国に入るならな」
「蘇らせた後でだね」
「もうな」 
 その時はというのだ。
「歓迎するぜ」
「そうするね」
「優れた奴はな」
 それならというのだ。
「もうな」
「かつて敵でも用いるのが僕達だから」
「そうするな」
「そうだね、優れた敵は優れた味方になる」
「そうなるものだからな」
 それだけにというのだ。
「是非な」
「そうするね」
「ああ、じゃあさらに先に進むな」
「そうしようね」
「領主の間までな」 
 目指すそこまでと言ってだった。
 久志は実際に仲間達そして精鋭達と共に領主の間を目指した、そして遂に罠が仕掛けられた扉を罠を術で解除してだった。
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