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リリなのinボクらの太陽サーガ
夜闇クライシス
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本当に好都合で、その間にこの護衛対象をどうにか安置に動かさないといけない。しかしこの状況で安置になりそうな場所は……あった!

「マリエル、エレベーターラインに飛び込むぞ!」

「あ、私邪魔なんですね、わかりまぁあああああ〜!!??」

飛行魔法を展開した私はマリエルを小脇に抱え、フェイト程ではないが高速でぽっかり空いたエレベーターラインの入口に一直線に向かう。すると私達の後に続くようにシャロンもスケルトン達を引き連れたまま走ってきたが、それは互いの思惑がかみ合わなかった訳ではなかった。

「(借りるよ!)」

「(応じよう!)」

目配せで互いの意図を確認後、私達は一足先にエレベーターラインに突入する。真っ暗な空間ですぐさま振り返ると同時に、シャロンも入口で跳躍、私の差し出した右手を掴み取る。彼女の柔らかくて冷えた手の感触をちょっと堪能しながら、私はその勢いを殺さず回転に利用し、更に魔力を送り込む。私を軸に三回転している間にシャロンは爆弾のようにエナジーと魔力をため込んだ後、発光したまま入口に陣取ったスケルトンの大群の中心へ向かって流星の如く飛ぶ。

「え、ちょ……一人で飛び込んじゃいましたけど大丈夫なんですか彼女!? というかアインスさん、なぜ地下に降りてるんです!?」

「質問よりも今すぐ耳を塞げ、マリエル。デカいのが来るぞ!」

「え? デカいの???」

巻き込まれないようにプロテクションを張った直後、エントランスから凄まじい光が―――

「はじけろミッドチルダぁあああああああああああ!!!!!」

ちゅどぉぉおおおおおんッッ!!

この日、夜の空に閃光とキノコ雲が発生した。クラナガンにいる市民も管理局員も目の当たりにするほどの大爆発は、本棟どころかこの施設全部を木端微塵に吹っ飛ばし、先程まで彼女を追っていたスケルトンはその全てが灰と化した。

「ぐっ……! 力を貸し過ぎて臨界突破したか……!?」

『表現が妙に物々しいけど、あの子別に核爆発は起こしてないわ』

しかし私のプロテクションは爆発の攻撃を逸らしただけでヒビだらけになったし、周辺は文字通り焦土化したから、高ランク魔導師の広域殲滅魔法に匹敵する威力があるのは間違いないと思う。

何はともあれ地上に戻るべく、プロテクションの上に乗った瓦礫ごと上昇しながら、私はマリエルに問いかける。

「やっぱりシャロンはミッドチルダに鬱憤溜まってるのだろうか……?」

「台詞的に見ても殺意マシマシです」

「そのうち輻射波動が使えるようになるんじゃないか?」

「戦術的にはむしろ白カブトの方っぽいですけどね、彼女」

「精神面は真逆だけどね」

さて、火の手は多少残っているが綺麗に野ざらしになった元エントランスに戻る
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