夜闇クライシス
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戦法は成り立たなくなり、かなりの弱体化を図れる。だからシャロンの価値はまたしても跳ね上がったのだが、それについてはちょっと疑問点がある。
シャロンの月下美人としての力は歌で発揮される。なのにどうしてそんな能力が使えるのか……彼女にボク達の知らない何かが起きているのか? あるいは……こんなこと考えたくないけど、そもそも彼女の力は本当に月下美人のそれなのか? 実は全然違う何かなんじゃ?
って、それは今考えることじゃないし、話を戻そう。超能力と言っても色々あるけど、ポリドリのそれはサイコキネシス系列に当たると考えられる。超能力は大まかに二種類に分けられて、それがサイコキネシス系列とESP系列。ESP系列とは、テレパシーとか未来予知といったもので、要は時空間を超えて情報を得るようなもの。サイコキネシス系列とは、念力を始めとした目に見える超常的な現象を引き起こすもの。
サイコキネシス系列で強そうなものと言えば、例えばパイロキネシス、発火能力。要するに、火元無しでいきなり相手を燃やすというもの。ぶっちゃけた話、これは暗殺に使われると非常に厄介だと思う。だって証拠が残らないんだから、いくら捜査しても犯行を証明することは不可能なんだもの。しかも視界に入ってさえいれば発火できるんだから、戦うなら何らかの方法で見られないようにするか、もしくは燃やされないようにする必要がある。
「ん? 発火?」
そういえば報告書には、二体目のポリドリの分身体は炎を纏うレーザーブレードを使ったと書いてあった。ケイオスが一瞬で倒したから出オチみたいな感じになったけど、もしかしてそいつの持ってた超能力はパイロキネシスだったんじゃ?
「あ〜うん。鎮火は早ければ早いほど、被害は少ないよね。それに火に土をかけるのも鎮火の手段としては真っ当かな、あはは……」
あまり深く考えると疲れるし、やめておこう。なんだかんだでケイオスとシャロンの即時対応があらゆる意味で適切だったのはいいけど、できれば強敵を相手にするなら事前に対策を用意してからにしてほしいなぁ、と親切心で思った。
それはそれとして、メールボックスには他にも届いている返事がある。一つはミーミルのゲートキーパーをいくら貸してくれるかの返事。結論を言うなら、1基だけ貸してくれることになった。この数はこっちの身からすれば正直残念だけど、恐らく向こうも折衷案として辛うじて融通したんだろう。
もし1基も貸さない場合、アウターヘブン社の要請を無下にすることになるから、今後の関係悪化を危惧する。かといって多く貸した場合、同盟を結んだオーギュスト連邦から離反疑惑を向けられるから、それはそれでマズい。だから1基だけ貸すことにして、両方に言い分が成り立つようにしたって訳だ。
「ふぅ、世の中ってめんどくさいことばっかり増え
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