第二章
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「それは」
「そうですわね」
「そうなのです」
「わかっていますけれど」
「夢が適うのならば」
「是非ですわ」
まさにというのだ。
「あちらに住みたいですわ」
「そうなのですね」
「別の世界に行くことが出来れば」
日本に来てもこう言っていた、だが。
エカチェリーナは眠り自分が救うべき世界に来た、その世界は非常に広くかつ空には多くの浮島はあった。そして。
浮かぶ岩もあった、その岩を見てだった。
その世界では種族では天使となっている彼女は自分に仕えているこの世界に元からいる者達に対して尋ねた。
「あの巨大な岩の上に城、宮殿を築けるか」
「宮殿ですか」
「それを築けるか」
「そう言われるのですか」
「そうだ、出来るか」
このことを問うたのだった。
「どうだ」
「はい、出来ます」
すぐに一人が答えた。
「それは」
「そうか、ならだ」
エカチェリーナはその話を聞いてすぐに決断した。
そして今自分に仕えている者達にこう命じた。
「あの岩の上に宮殿を築くのだ」
「岩の上にですか」
「宮殿をですか」
「出来るのならな」
それならというのだ。
「今から建てる、空まで船で材料を運んでだ」
「空船を使って」
「そうしてですね」
「建てるのですね」
「そうするのだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「すぐに建てるぞ、しかしそなた達は何でもないという口調だな」
「はい、岩の上に城を築くことも多いです」
「浮島に住む者も多いですし」
「我が国も」
「ですから」
「それでか、わたくしがいる世界とは違うか」
エカチェリーナは自分が起きた世界のことを思い出して述べた。
「そこは」
「この世界ではそうです」
「浮島が普通にありますし」
「宙に浮く岩も多いです」
「ならそこに砦や宮殿を築いても」
「至って普通です」
「世界が違うならそうか、ならだ」
エカチェリーナはまた言った。
「建てるぞ」
「わかりました」
「それではです」
「その様にします」
「これより」
「その宮殿の外観だが」
エカチェリーナはマグリットの絵そのままのそれを話した、ただ内装は彼女の好みで暮らしやすい様にもした。
そうして宮殿を建てさせると。
エカチェリーナは共にいるターリャに話した。
「まさにですね」
「はい、あの絵なのです」
ターリャもこう応えた、二人共公の場ではないので普段の口調だ。
「マグリットなのです」
「ピレネーの城ですね」
「いや、あの絵をそのままなのです」
「再現出来るとは」
「思わなかったのです」
そうだったというのだ。
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