第三章
[8]前話
「これから」
「そこもいいんだな」
「ええ、ただしていいのはまだキスまでだから」
美里は顔を赤くさせて話した。
「それ以上は駄目だから」
「キスってしていいのかよ」
「光弘がしたかったら」
「それはいいからな」
キスはとだ、光弘は顔を赤くさせて慌てた態度で返した。
「そんなのまた今度だよ」
「意気地なし」
それを聞いた美里の言葉はこうだった。
「ベッドだって奇麗にしてゴムも用意したのに」
「ベッドにゴムって」
「そういうことだから」
「本気かよ、それ」
「本気じゃないと言わないことだから」
美里は俯いて述べた、顔は赤くさせたままだ。
「覚悟してたのに」
「それは幾ら何でも早いだろ」
「ベッドまでは」
「じゃあキスな」
家族と会った後はというのだ。
「部屋で」
「それじゃあ」
「ああ、じゃあな」
こう美里に返してだった。
光弘は美里に案内されて彼女の家族とも会った、そして彼女の部屋に案内されてそうしてキスをしたが。
翌日光弘は美里に学校で言った。
「身体柔らかいんだな」
「そうなの」
「抱き締めたからな」
キスをした時にというのだ。
「わかったよ」
「そのことが」
「ああ、身体柔らかくてな」
それでというのだ。
「凄くいい香りだったよ」
「匂いじゃなくて」
「香りだよ」
こちらになるというのだ。
「その香りがな」
「よかったの」
「ああ」
そうだったというのだ。
「幾ら強くてもな」
「私女の子だっていうの」
「それがよくわかったよ」
キスをしてというのだ。
「パワーがあってもな」
「そうなのね」
「正直抱き締められた時ベアハッグみたいにされると思っていたら」
美里にというのだ。
「そっちも優しく抱き締めてくれたしな」
「私は女の子だって」
「力強くて身体能力凄くてもな」
プロレスラーや陸上選手並でもというのだ。
「お前は女の子だよ、それも可愛いよ」
「可愛いは余計」
美里は光弘のその言葉には顔を赤くさせて返した。
「照れるから」
「今度言ったら頬っぺた抓るから」
「おい、それは止めてくれよ」
「じゃあ言わないこと」
「そうするな」
「そうして」
美里は光弘に微笑んで応えた、そうしてだった。
彼の手をそっと握った、その手は柔らかく暖かく光弘はその感触に彼も笑顔になった。そうしてまたキスをしたが美里の唇も同じ感触だった。
強い彼女 完
2020・8・20
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