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レーヴァティン
第百八十二話 民の心その一

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                第百八十二話  民の心
 久志達はトランシルバニアに入ると占領した地域を帝国の政と法を導入していった、無論それは圧政ではなく。
 普通のものと言えた、するとだった。
 民達は雪崩を打って帝国に従った、まだ占領していない地域からもだ。
 人が来て速く来る様に言ってきた、久志はその状況を見て野営地で言った。
「またこれはな」
「凄いことね」
「あの領主本当に圧政を敷いてな」
 双葉に応えて話した。
「それでな」
「民は相当苦しかったのね」
「独立を守ってもな」
「暮らしが苦しくなってね」
「言論弾圧もあってな」
「生きていけない程になったら」
「そりゃな」
 それこそというのだ。
「誰だってな」
「嫌になるわね」
「そうなるな、確かに独立を守るのは凄いさ」
 このことはというのだ。
「それはな、けれどな」
「圧政で国をまとめるとね」
「やっぱり無理があるな」
「どうしてもそうね」
「ここの領主はそれがわかってないな」
「そうね、だからね」
 双葉は考える顔で述べた。
「今こうしてね」
「民の支持を失ってるんだな」
「そして私達の方についていっているのよ」
「そういうことだな」
「ただね」
 ここでだ、双葉は久志に強い声でこう言った。
「民達は絶対にね」
「領主に渡したら駄目だな」
「そうなればどうなるかわかるわね」
「ああした奴だとな」
 久志はその領主について剣呑な顔で述べた。
「もうな」
「それこそでしょ」
「裏切者は絶対に許さない奴だろうしな」
「民達は皆殺しよ」
「そうなるよな」
「スターリンと同じよ」
 双葉はこの独裁者の名前を出した。
「もう誰でもね」
「裏切った奴は皆殺しだな」
「ええ、しかもこの領主は残虐な奴だから」
 このこともあってというのだ。
「裏切者はね」
「皆殺しだな」
「そうなるわ」
 絶対にというのだ。
「間違いなくね」
「だから渡すべきじゃないわ」
「一人としてな」
「民を大事に思うなら」
 それならというのだ。
「もうね」
「そういうことだな」
「そう、そこはね」
「絶対にだよな」
「守ることよ」
「領地を手放さないことか」
「一度手に入れたらね」
「敵に奪い返されない」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「兵を進めていって」
「領主を倒すことだな」
「若し領地を奪い返されて」
 そしてとだ、双葉は久志に険しい顔で話した。
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