暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第三十六話
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
する意味がないということは解った……!

 力づくでドクロ仮面を引き離そうとするが、日本刀《旋風》を押し込む前にドクロ仮面は後方へとステップして離れていった……結果的には狙い通りなので気を取り直して日本刀《旋風》を鞘にしまう。

「先程の、妙な技を、使う気、か」

 俺が日本刀《旋風》を鞘にしまったことで、出会い頭での奇襲攻撃に使用した抜刀術《立待月》を警戒したのだろう、ドクロ仮面はエストックを構え直して防御の構えを取った。

「……《縮地》!」

 だが、俺が狙っているのは抜刀術《立待月》ではないどころか、日本刀《旋風》による斬撃ですらない。
《縮地》による高速移動により、ドクロ仮面が俺を視界から見失って戸惑っている隙を突き、そのままドクロ仮面の横を駆け抜ける……置き土産を置いておきながら。

「なっ……!?」

 ドクロ仮面のところに置いてきた置き土産の正体とは、アリシャから預かっている捕縛用の糸であり、ドクロ仮面の身体に引っかけてきた。
引っかかった糸の片割れは《縮地》によって高速移動をしている俺が持っており、自ずと引っかかったドクロ仮面は俺の高速移動に引っ張られることとなり、そのまま近くの大木に背中から直撃した。

「――ぐ、はっ……?」

 そのまま俺はそのドクロ仮面を打ちつけた大木を中心にぐるぐる回って糸を結びつけ、結果として、アリシャの捕縛用の糸でドクロ仮面を大木にくくりつけた。

「……じゃあな」

 トドメに麻痺を付与させるナイフを肩に刺したところで、もはや会話をする気にもなれずにその場から立ち去った。



 アインクラッドに来てから、今までにないぐらいの速さで元来た道を戻って行く。
正直認めたくはないが、俺たちギルド《COLORS》において最強なのは、今まさにPohと戦っている筈のヘルマンであるのだ……負けるとは全く思えないが、胸を切り裂かんばかりの不安感が俺を襲っていた。

「どこだ……?」

「something one is looking for?」

 背後から、日常的にはあまり聞かない英語が聞こえたことにより、ついつい振り向いてしまう……先程の英語が、『探し物』を意味する言葉だということには、振り向いてから気づいたのは不覚だった。

 背後に振り向いた俺に何か長い物が投げかけられ、反射的にキャッチしてしまう。
そのまま腕を見て、何をキャッチしたか確かめると……俺の思考はそのままフリーズした。

 認めたくないけれど……夢ならば醒めて欲しいけれど。
俺の眼は間違わずに、キャッチした物が何かを確かめた。

 ――ヘルマンの、両手矛。

 それを投げてきたのは、暗闇の向こうから歩いてきたポンチョ姿の――持っているのは鎌ではなく包丁だったけれど
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ