第三十六話
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く。
アリシャは基本的には非戦闘員であるし、リディアもその武器種からあまりオレンジプレイヤーとの戦闘に……というか前衛に向く人物ではない。
「……解った、俺が行くッ!」
言外ではあったがアリシャからの指示を受け取り、Pohはクラウドに任せて俺は二人のオレンジプレイヤーへと向かうこととなった。
……アリシャとヘルマンの《索敵》スキルに反応したのはたかが二人のオレンジプレイヤー……先程の、隠蔽スキルを底上げするマントのような者があれば話は別であるが、あんなレアアイテムであろうアイテムが何個もあるとは思えないし、戦闘中の今ならば、隠蔽スキルが働いていようとも探知出来る自信があった。
そのまま走っていると、暗闇の向こうから二名の走ってくる人影が見えてくる。
予想よりも接敵が速かったものの、こちらは全力疾走で、あちらも全力疾走なのだからこうなるのは当たり前だった。
さっさと倒して、さっさとヘルマンの加勢に向かう……!
じりじりと俺の心を焦がしていくような焦りを覚えたが、その焦りの心のままに相応しい技を選出する。
「抜刀術《立待月》!」
自身も高速で移動しながら、敵には更に高速の抜刀術を叩き込むという技である抜刀術《立待月》。
本来ならば《縮地》と併用しながら使う技であるのだが、今まで全力疾走してきたおかげで、スピードは《縮地》以上であるために、使わなくても助走は充分だ……!
「のわッ!」
走ってきた俺が見えたために、待ち構えようとしていたオレンジプレイヤーの一人である大男に直撃し、そのHPゲージを大幅に削る。
「せぇぇいッ!」
大男が大量のダメージを負ったところにすかさず追撃の斬撃を放ち、その手に持った武器であるバトルアックスごとその大きい身体を切り裂き、HPゲージがこれ以上削れないという程に削る。
大男でない方のオレンジプレイヤーの片割れである、ドクロのような仮面を付けた男の放ったエストックを避け、後ろに下がって少し距離をとる。
不意打ちとしてはこれ以上ないという程の成功だったが、大男のオレンジプレイヤーのHPゲージを少し削りすぎてしまった。
これでは、アリシャから預かっている捕縛用の糸を絡ませただけで、大男のHPを全損させることになってしまう。
まあそんなHPなのだから、あのプレイヤーもすぐに回復用ポーションを使うことになるだろうから、さしたる問題点ではない……と、思ったのだが。
「やってくれんじゃねぇかぁぁぁッ!?」
なんと大男は激昂の叫びを上げると共に、アイテムストレージから予備のバトルアックスを取りだしたかと思えば、回復用ポーションも飲まずに俺に斬りかかってきた!
「なっ……!」
大男が起こした予想外の行動
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