第三十六話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
索敵用レーザーを覗き見るが、違和感を感じた場所には何の反応も示されない。
気のせいか、と自身の違和感に当たりをつけて、自身もどこか待ち伏せに有効な場所を捜そうと辺りを見回し始め……
――ダメだ、気のせいじゃない。
……突然違和感のあった場所から、今までに感じたこともない殺気が噴出されたことに、俺のシステム外スキル《気配探知》は鋭敏に捉えた。
「止まれクラウド!」
――呼ぶな!
その鋭い殺気からは、何だか嫌な予感がしたために、違和感がある場所へと向かうクラウドを呼び止める。
別段、俺とクラウドは離れた距離でもないので、クラウドは足を止めて怪訝な顔をして俺の方を振り向いた。
「んだよショウ……え?」
振り向いたクラウドの左胸……いわゆる心臓と呼ばれる場所から、その真紅の服装から飛び出たように銀色の刃が現れた。
……有り体に言ってしまえば、クラウドの心臓に、背後から包丁のような刃が突き刺さっていた。
「おいおい何だよコレ――」
そしてクラウドは何の断末魔も発することはなく、HPゲージが0になってしまったことにより、身体をポリゴン片に四散させ……消滅した。
このアインクラッドというデスゲームの舞台から……いや、今ごろはこの現実世界からも……あまりにも呆気なく、あまりにも簡単に、クラウドという人間は消滅した。
「One Shot killとはな。ステータス通り、niceな剣じゃないか」
クラウドの背後であった場所から、マントのような物が剥がれ落ち……おそらく、隠蔽スキルを底上げするようなアイテムであるのだろう……クラウドを刺した包丁を持った、ポンチョ姿の男が姿を現した。
フードを被ってはいるが、伺いしれる顔には愉悦の笑みが浮かび上がっており、その人物はニヤリと、本当に楽しそうに……笑っていた。
「お前ぇぇぇぇぇぇッ!」
クラウドが殺されたことのショックによる何秒……いや、何分だったかも知れない硬直時間が終わり、ポンチョ姿の男への殺意が湧き上がってくる。
叫びながらも、脳内でその目の前の人物の名前を検索すると、外見の特徴や喋り方が、有名なオレンジプレイヤー《Poh》ど照合した。
即座に飛びつこうと思ったところ、俺の側面にいたヘルマンが先に動き、目の前のPohへとその両手矛を突き刺した。
「Hey、なかなかやるじゃないか?」
しかし相手であるPohもただ者ではなく、ヘルマンの突きをなんなくその包丁でかわし、反撃に出て行く。
「ヘルマン、加勢……」
「ショウキ! 向こうの二人が凄い勢いでこっち来てるわ!」
このギルド《COLORS》において、《索敵》スキルを持ったもう一人の人物であるアリシャの声が俺に向かって響
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ