第二章
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獣医は二人にこう言った。
「この子拾ったんですよね」
「道で一匹でいたんです」
朗が獣医に答えた。
「彷徨ってる感じで」
「じゃあ逃げてきたかも知れないですね」
「元の飼い主からですか」
「酷いですね、栄養失調でかなり不潔な環境で育っていて」
獣医は犬について顔を曇らせて話した。
「それにあちこちに打撲傷があります」
「打撲傷って」
「虐待ですね」
それに他ならないというのだ。
「そうされていましたね」
「そうでしたか」
「こんな飼い主もいます」
獣医は今度は顔を顰めさせて話した。
「残念ですが。ですがこれからは」
「うちで飼います」
今度は店長が話した。
「そうします」
「そうですか、では大事にしてあげて下さい」
「酷い目に遭った子なら」
それならとだ、店長はさらに話した。
「幸せになる様にします」
「そうですよね、そんな子ならですよね」
朗も店長に続いた。
「是非」
「うん、俺達で幸せにしよう」
「そうしてあげましょう」
二人でこう話してだった。
そのうえで犬の手当てが終わると正式に店であり家であるそこに引き取ってそのうえでだった。
犬と共に暮らしはじめた、ここで朗が犬の名前を考えた。
「ルークにしましょう」
「あの宇宙映画の主人公の名前か」
「そうですね、役者さんは声優さんとして成功した」
俳優は俳優でもそちらでアメリカで大成功したのだ。
「あの人で」
「それで俺もすぐにわかったよ」
「そうですか、ラテン語で光を導くって意味でして」
朗はそのルークという名前についてさらに話した。
「この子の将来を考えると」
「光か」
「これまで不幸でも」
それでもというのだ。
「光、幸せがある様に」
「それでか」
「考えたんですが」
「いい名前だな、それじゃあな」
「はい、ルークで」
「それでいこうな」
店長も頷いた、そうしてだった。
二人はルークと名付けた犬を大事に飼いはじめた、ルークは最初は二人にも心底怯えていて中々懐かなかったが。
次第に懐き二人と寄り添う様になった、ルークは大人しく優しい犬でしかも何かあるとよく吠えたので。
鼠も寄せ付けずいい番犬にもなった、それでだ。
店長もルークについて笑顔で言った。
「うちにこれからもな」
「いて欲しいですか」
「ああ、ずっとな」
こう朗に言った。
「そう思うよ」
「正直ここに連れて来た時店長さんがどう言うか心配でした」
「捨てろとかか」
「店長さんは捨てろとか言わないですが」
それでもというのだ。
「そこがです」
「俺はそんなこと言わないさ、けれど無理だったらな」
飼うことがというのだ。
「いい飼い主探す様にな」
「言ってましたか」
「
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