こんな接客あるのか!?
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んけど、普通なのかな?」
「むしろ俺たち、ああいう塩対応されないだけマシ?」
「だね」
友奈に頷かれると、真司も何も言えなくなる。
そして。
「お待たせしましたお客様」
「お待たせしましたお客様」
さっきも聞いた、双子の声。普通サイズのオムライスだが、その右側を妹、左側を姉が持っていた。
「き、器用なものだな……」
驚く真司をよそに、双子のメイドは皿を置いた。
黄色一色の卵に、真司は疑問を抱く。
「あれ? ケチャップは?」
「チッ……」
「あれ? 姉様いま舌打ちした?」
「さてお客様。おいしい文字などをどうぞ」
「いやいやごまかさないでよ! ねえ、何か君たち接客おかしくない?」
「さあ、お客様」
妹がごまかすように、真司をなだめる。
「お名前をどうぞ」
「……城戸真司」
「かしこまりました。それではどうぞ」
なんということでしょう。
妹のきらびやかな笑顔とともに、オムライスに赤い文字が描かれていく。
真司は喜び、
『おバカさんへ』
「なんでだよおおおおお!」
叫んだ。
一方お姉様の方は、友奈のオムライスにケチャップで文字を書いていた。しっかりと『友奈さんへ』と。
「なんか俺だけ理不尽だろおおおおおおお!」
そんな真司の嘆きを潰すように、双子は一緒にこう言った。
「「美味しくな〜れ」」
「全く……今はああいうのが流行なのか?」
お店から出た真司は、理解できない理不尽さを胸に歩いていた。
「でも、結構メイドさんたちから色んな話を聞けたじゃん」
その後ろを歩く友奈は、満足そうに言った。真司の知る限り何も問題なく進んだ友奈には、これといった不満点もなかった。
あの後、田舎から出てきたばかりという体で、双子から色々話を聞くことができた。どうも、メイド喫茶というのは、ああいう対応が喜ばれることもあるらしい。
「一体どうなってるんだろうな……」
サーヴァントとして現界したのは、わずか二十年先の未来。それでも、かつてと今は世界がまるで違うもののように思えた。
「この世界で、俺ジャーナリストになれるのかな……大久保編集長……」
この世界にいない人物の名前を呟きながら、真司は見滝原の町を歩き続ける。
誰もが持っている携帯電話。それさえも、真司にとっては新しいものに見えた。
「それよりも真司さん。気になる話、あったね」
友奈が真司の前に躍り出る。
「昨日の怪物騒ぎ」
「ああ」
双子のメイド曰く、「今とっておきの噂です!」とのことだった。真司が新聞記者を目指していることからその話題となり、面白い話はすぐに教えるという
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