第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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着ているピンクのTシャツの前に持ってくる。
「ピンT、ごめんよ……お前を置いて逝ってしまう、この兄を……妹不幸な、ダメ兄を……許してくれ……」
「青Tお兄ちゃん! 青兄ぃはダメじゃないよお! だって、ピンTに、すごく優しくしてくれたもん! 大事にしてくれたもん! ピンT、青兄ぃのこと、大好き! 大好きだもん! だから、ダメだなんて言わないで! 逝くなんて、言わないでよお!」
「すまない……行方不明なメンズLサイズの黒Tシャツ父さん、レディスMサイズの赤Tシャツ母さんに代わって……親代わりとして、なんとかピンTと暮らしてきたけど……もう、お別れだよ……お、俺は、もう……ただの布さ……青色のボロ布なんだよ……もう、Tシャツとしては……死んでいるんだ……」
「いやあ! いやああ! 逝かないで、青兄ぃ! 逝かないでよお! 逝くのなら、ピンTも一緒……一緒だよ! 置いてかないでね、ひとりで逝かないでね、ピンTも一緒だからね! 一緒に逝こうよ! 一緒じゃなきゃ、嫌だよ! 青兄ぃ!」
「ピンT!」
「青兄ぃ!」
「じゃかあああああぁぁぁぁぁしいいいいぃぃぃぃぃ!!!」
グレート・ザ・屍豪鬼はTシャツ兄妹のクライマックスシーンを見せられて、本気でキレた。
「やかましいんじゃい! ボケがああぁぁッ! 何が悲しゅうて、貴様のひとり芝居なんぞを見ねばならんのじゃい!」
怒り心頭なグレート・ザ・屍豪鬼は、ボサメガネ少女に掴みかかった。
“びりぃぃ”
嫌な音がした。グレート・ザ・屍豪鬼が掴んだTシャツは、びぃっと裂けてしまった。
ボサメガネ少女は、裂けたTシャツからのぞいてしまっている乙女のやわ肌を気にする様子もなく、ぶつぶつと独り言のように呟きだした。
「青兄ぃ……ピンTも、ボロ布になっちゃった……これでピンTも、一緒だよ……青兄ぃと一緒だよ……うれしい……ずっと、ずっと、青兄ぃと一緒……」
「ああ、そんな……ピンT! なんで……なんで、こんなことに……神様、ひどいです……ピンTが何をしたと言うのですか……ああ、ピンT……ピンTいいいぃぃぃぃぃぃぃ!」
「ううぅるっせええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいぃ!!!」
更に続いたTシャツ劇場に、グレート・ザ・屍豪鬼は目を血走らせて怒り叫んだ。
「うるせい! うるっせい! うるせいっちゅうんじゃい! もう許せん! 貴様もそのボロTシャツ兄妹のように、ボロ雑巾にしてやるわい!」
ボサメガネ少女は、わなわなと身を震わせながら、怒りをあらわにする。
「このTシャツはいいものだ……いいものだったんだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーッ!!!」
ボサメガネ少女は瓶底メガネの奥から、凄まじく鋭い眼光
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