第1試合
【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(1)
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が、ボサメガネ少女を襲う。
「きゃあああぁぁぁッ!」
手加減版とはいえ、その威力はかなりのものであった。ボサメガネ少女の身体は引き裂かれ、全身がズタボロにされてしまう。
「い、いやぁ……」
まとっている着衣はビリビリに破かれ、あらわにされている肌には、痛々しい血の滲みやアザがある。
ボサメガネ少女は顔を真っ青にして、弱々しい声を漏らす。肩は震え、目には涙が溜まっている。
「シゴシゴシゴッ! 恐怖のあまりに、悲鳴すら上げられぬか!」
グレート・ザ・屍豪鬼は、うつむいているボサメガネ少女の顔を覗き込み、にたりと笑った。
グレート・ザ・屍豪鬼と目が合ったボサメガネ少女は、グレート・ザ・屍豪鬼をきつく睨み、殴りかかりそうな勢いで声を荒げる。
「こ、このTシャツぅ! 激レアな超限定品だったのにぃぃ! どうしてくれるのよぉぉぉ!」
ボサメガネ少女はボロボロになったTシャツを、豪快かつ大胆に脱ぎだした。そして怒りで我を忘れているボサメガネ少女は、グレート・ザ・屍豪鬼の目の前にTシャツを突き出す。
「このTシャツはね! 37年ぶりに大復活を果たした超人オリンピック・ザ・レザレクションの会場で限定販売された、激レア品なの! しかも、いま私が着ているTシャツは、キッズのLLサイズで、たったの2着しか販売されなかったの! もう本当に、超々お宝品なの!」
グレート・ザ・屍豪鬼とミーノは、その場でコケた。
「グレート・ザ・屍豪鬼が恐くて、顔面蒼白になって、震えて、涙ぐんでいたのかと思ったのですぅ……でも実際は、大事なTシャツを破かれたことへのショックと、怒りのせいだったのですね……ですぅ」
グレート・ザ・屍豪鬼は身を震わせて、怒りをあらわにする。
「貴様、なめとんのかあ! たかだかTシャツと、マッスルジュエル、どっちが大事なんじゃあ!」
「た、か、だ、か、Tシャツうううぅぅぅ?!!!」
ボサメガネ少女は、憤怒の顔を屍豪鬼に向ける。
「あんたのせいで! この世にたった2着しかないTシャツが、1着に減らされてしまったの! かわいそうに……あんたのしていることは、絶滅危惧動物の殺害! キリングレッドデータアニマルズ! に匹敵するほどの大罪よ! 地球規模の超大罪よ! 今後、転生することを許されず、あんたの存在自体を抹消されてしまうほどの激大罪よおおおぉぉぉ!」
ボサメガネ少女は、Tシャツの下に着ていた、もう1枚のTシャツを指さす。
「いまわたしが着ているピンクのTシャツはね、あんたが惨殺した青のTシャツの色違い、いわば兄妹! ほら、あんたには聞こえないの? この兄Tシャツの無念の声が……」
そう言うと、ボサメガネ少女は、ぼろぼろの青Tシャツを、自分が
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