第一章
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災害を乗り越えて
ミルは頭の上の方と背中が黒い白地の毛の猫だ、顔のところが八割れになっていることが大きな特徴だ。
寿家に飼われていて特に家の娘である友加里、黒髪のポニーテールではっきりした目の高校生の彼女に可愛がられていた。
友加里は家ではいつもミルと一緒でおもちゃを買って彼と共に遊んだりもしていた、そんな娘を見てだった。
母の真波、茶色のおかっぱで顔立ちは友加里によく似た彼女が言った。二人共背は一六〇程でやや胸が目立つスタイルだ。
「友加里は本当にミル好きね」
「元々猫は好きだけれどね」
「ミルは特になのね」
「里親で貰った時からね」
そのつてでミルを家族にした時からというのだ。
「大好きよ」
「そうよね」
「お父さんも猫好きだけれど」
家の大黒柱で港で働いている父の浩紀もというのだ、眼鏡をかけた真面目そうな外見は銀行員と間違えられることもある。
「私もだしね」
「お母さんもだけれどね」
「私が一番よね」
「そうね、だからなのね」
「ミルとはずっと一緒よ」
そのミルと遊びながら言うのだった。
「そうするわ」
「そうしていくのね」
「何があってもね」
心からこう言った、だが。
世の中何時何があるかわからない、それは災害もだ。
突然の地震で家は倒壊し燃えた、父は仕事場にいたが母と娘はこの時家にいた、それで母は何とか娘を家から連れ出して。
必死の声でだ、こう言った。
「すぐに避難所に行くわよ!」
「けれどミルがまだ」
「わかってるけれどまた地震が来るわよ」
もう一度大きく揺れるかも知れないというのだ。
「だからよ」
「避難所に行くの?」
「早くしなさい!」
「けれどミルが」
「ミルのことも気になるけれど」
それでもというのだ。
「今は避難が先よ」
「そんな・・・・・・」
「お母さんも心配よ」
母もミルがというのだ。
「けれどよ」
「私達の避難が先なの」
「また絶対に会えるから」
こう言ってだ、母は友加里を連れてだった。
避難所に向かった、幸いもう揺れることはなく父も無事で自衛隊や救援の人達も来てくれて最悪の事態は少なくとも家族は逃れることは出来た。
だが倒壊された家の方に行ってもミルはいなかった、家の近所を隈なく探したがだ。
ミルはいなかった、それで友加里は暗い顔になっていった。
「まさか」
「家の瓦礫の下にはいなかったそうだ」
父が言ってきた。
「だからな」
「死んでないのね」
「その可能性が高い」
こう娘に話した。
「だからツイッターとかでな」
「探せばいいのね」
「そうしよう、お父さんのツイッターでもお願いする」
迷い猫を探してくれと、というのだ。
「だからな」
「
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