17,撫子VS
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ではじき返した。
お互いに数歩ずつノックバックし、一瞬だが空白のタイミングが生じる。
本能も、理性が私の中で一つになる。
ココしかない!!
「ハァァァ」
気づけば私は自然とソードスキルのモーションに入っていた。
今日、最も多くの仮初の命を奪ったスキル<浮舟>をアルゴさんに向けて放つ。
虚を突かれたのか、アルゴさんは大きく体を仰け反るようにしてその一撃から逃れた。
まだだ、と瞬時に<緋扇>を発動させる。
カタナスキルならではのソードスキルのコンボで上段に伸びた刀はすぐさまライトエフェクトを纏う。
天へと向けられた刀は反転し、アルゴさんを両断せんとしたが、
その軌跡はむなしく空を切る。
「情報通りのスキルコンボだネ」
その瞬間、時間が止まったように思えた。
なぜか遠くからの声。謀られた、と感じるのに時間はかからない。
恐らく、先ほどの私と同じ。体制を崩したのはブラフ。
現にアルゴさんは私の剣が届きもしない位置まで下がりきっている。
カタナスキルの優秀な点はソードスキルが小分けされている点だ。
隙が短く、また追加Modの「連撃」さえ取っておけば、所定のソードスキルを連続で繰り出せる。
今の<浮舟>と<緋扇>のコンボがそれだ。
隙も少なく硬直も少ない。だが、今回のように無駄打ちさせられれば、ソードスキルである以上は時間のロスが生じてしまう。
「ッ!!」
緋扇を無理やりキャンセルし、最後の突きを何とか止める。
だが、硬直は如何ともしがたい。そして、アルゴさんが隙を逃すわけもない。
腰だめに構えられた右腕が金色に染まる。次の瞬間、爆音と共に極限まで貯められた力が解放された。
両手爪の刺突ソードスキル<パイルバンカー>。私の知識では、その威力は敏捷度に依存する両手爪スキルの中でも上位に入る筈。
「ハァァァ」
ギリギリで硬直の解けた私は、苦し紛れで愛刀を振るった。
私の紫電はアルゴさんの腰をとらえたが、手応えと同時に金色の奔流が私の胸を穿った。
肺を潰されたような圧迫と内部をグチャグチャにされる不快感。
踏ん張ることすら許されず、私は愛刀を残して正面から吹き飛ばされた。
HPゲージがじりじりと減少し、私のゲージはイエローに変わっていた。
目の前にウィンドウが形成されていく。
相手を侮り、目を曇らせた私には、当然……
「アレ!!?」
アルゴさんが向こうで素っ頓狂な声を出す。
続いて私の方に出てきたウィンドウには紫色の文字でDROWと表示された。
DROW……引き分け!!?
アルゴさんの方のゲージを見ると、何故か彼女もイエローゲージに差し掛かっていた。
「う〜〜ん、最後のあの胴打ちがクリティカルしたみたいだナ」
アルゴさんは僅かに口
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ