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レーヴァティン
第百八十話 トランシルバニアへその八
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「中の装飾もね」
「凄かったよな」
「大勢の芸術家も呼んでね」
「そうだったよな」
「二百年かけて完成させたと言われているし」
「歳月もかけてたよな」
「そうした建てさせたよ」 
 そのベルサイユ宮殿をというのだ。
「その他にも欧州でも色々な権力者がそれぞれ見事な宮殿建てているよ」
「フリードリヒ大王のサンスーシーとかな」
「ハプスブルク家のシェーンブルン宮殿とかね」
「エカチェリーナ女帝のエルミタージュもあったな」
「もう時の権力者はね」
 それぞれの国のというのだ。
「建築をさせてるね」
「始皇帝だけじゃないな」
「その中国も色々いたしね」
「そうだったよな」
「日本では豊臣秀吉さん位だけれど」
 建築を好んだ権力者はというのだ。
「大坂城とか伏見城とか聚楽第とかね」
「あの人位だな」
「お城っていっても機能的なものだし」
「そうだよな」
「守りを主眼に置いたね」
 宮殿というよりかはというのだ。
「そして政治を考えた」
「自分の贅沢の為の宮殿じゃないな」
「日本じゃすぐに地震や台風や雷や火事が来るから」
 自然災害がだ、実際に日本では戦争よりも災害で災厄を被ったという話の方が多かったりする程である。
「建築をしてもね」
「すぐに潰れるな」
「江戸城も天守閣火事で焼けてるで」
 美奈代が言ってきた。
「それで今もないで」
「ああ、そうだったな」
「十万人死んだ大火でな」
「あれがあったな」
「あと大坂城もな」
 この城もというのだ。
「大坂の陣の後幕府が建てたけどな」
「天守閣落雷で駄目になったな」
「あと地震もあるやろ」
「それに台風もな」
「もう災害がこれでもかと来るから」
 戦争よりも遥かに多いと言っていい。
「それでや、そんなもん建ててもな」
「自然災害がしょっちゅう来て潰れるからか」
「誰も積極的に建てんのや」
「そういうことだな」
「あと日本の権力者ってそんな極端に贅沢に溺れるとかな」
「そんな人少ないな」
「明治天皇なんか凄かったやろ」
 美奈代はこの方のことも話した。
「暖房は火鉢一つ、軍服の裏が破れたら縫って着られる」
「その建築もな」
「東宮の設計見て贅沢って言われてな」
「それで質素なものにさせた位や」
「お食事もお酒は飲まれてもな」
 酒豪であられたという。
「甘党であられてもな」
「そちたも質素やったで」
「そうだったよな」
 ただお酒は随分とお好きであられたという。
「凄い方だな」
「昭和天皇もな」
「あと戦国時代の将軍様も大名も」
「お庭は造ってもな」
「やっぱり他はな」
 本腰を入れた様な建築はというのだ。
「なくてな」
「本当に皆質素だったな」
「そやで、勿論平安時代とかも」

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