第1部
ポルトガ〜バハラタ
ポルトガの関所にて
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から一枚選んで、誰にも見られないように開けてみてね」
二人とも、未知のゲームに興味があるのか、素直にそれを取り開けてみる。私が取った紙に書いてあったのは、『王様』という文字だった。
「それじゃ、『王様』って書いてあった人!」
「えっ、あっ、はい!」
シーラの勢いに押されて、つられて私は手を上げる。
「『王様』の命令は絶対でーす☆ だから、王様になった人は、一番から三番の人に何でも命令していいの。で、命令された人は絶対に従わなきゃなんないの☆」
『はぁ?!』
シーラの説明に、ユウリとナギが口を揃えて反発する。
「なんだそのルールは! 大体王というのはこんなくじびきごときで変わるような存在ではなく……」
「ユウリちゃん、これゲームだから!」
「つーかこいつが素直に命令に従うわけねーだろーが!」
そう言ってユウリを指差すナギ。シーラはしばし考えたあと、ぱっと笑顔を見せた。
「じゃあユウリちゃんでもできそうな命令にしよう♪ 基本ゲームは皆で楽しむものだからねっ☆ というわけでミオちん、命令をどーぞ!」
「えっ?! えっと、あの、その……」
急に命令とか言われても、何て言ったらいいのかまったく思い付かない。私が困った顔をシーラに向けると、
「じゃあ、ミオちんがあたしたちにしてほしいこととかってある?」
「してほしいこと?」
言い方を変えてくれたので、命令よりはイメージしやすくなってきた。それじゃあ……。
「じゃあ、全員の好きなものを教えて欲しいな」
意を決して言った私の言葉に、皆は三者三様の表情をした。
「いいね、ミオちん! そんな感じだよ♪」
「そ、そう?」
「あたしはね、やっぱお酒かな。あとはみんなと遊ぶこと!」
「あはは、シーラらしいね。ナギは?」
「オレか? オレは……ケーキかな」
「えっ!? 意外!!」
辛いものは苦手とは聞いたが、ナギって思った以上に甘党なんだ。
「つってもめったに食べられねえけどな。たまにジジイが作ってくれるんだよ」
「あのおじいさんが?! なんかそっちの方が意外なんだけど」
孫のためにケーキをつくるおじいさん……。ギャップがありすぎて私の中でおじいさんに対する好感度が跳ね上がった。
「あとは……」
「ビビアンさんでしょ。言わなくてもわかるよ」
「なっ、なんだよ。なんか他人に言われると恥ずかしいじゃねーか」
いや、それ以上の醜態をすでに晒してるんで今さら照れても困るんだけど。
「あとは、ユウリちゃんだね♪ 物でも人でも、何でもいいよ☆」
「……じゃあ、肉」
シーラの言葉にユウリはたじろいだが
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