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レーヴァティン
第百八十話 トランシルバニアへその三

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「白湯ってのは味気ないやろ」
「どうもな」
「それでそこでな」
「お茶だな」
「そや、白湯に味気がないから」
「それでやな」
「お茶や、若しくはコーヒーや」
 美奈代はコーヒーも話に出した。
「どっちも一見安くてな」
「皆いつも飲むからな」
「物凄い売れてな」 
 それでというのだ。
「利益になる」
「それで今言うんだよな」
「そや、お水やなくて」
 美奈代は笑って話した。
「飲むんやったらな」
「お湯でな」
「それでお湯の味やそやから」
 味気なくて、というのだ。
「お茶やコーヒーになってな」
「それが商売にもなるか」
「お茶の利益ってほんま凄いから」
 無論コーヒーもだ。
「お金が動いてな」
「経済も動くか」
「そやで、この浮島でもな」
「あれか。ボストン茶会事件か」
 久志はここでアメリカ合衆国建国史の中での重要な事件を思い出した、ここから歴史が大きく動いたのだ。
「あれもだったな」
「お茶やろ」
「ああ、阿片戦争だってな」
「イギリスがお茶を輸入してな」
 清からそうしていてた、イギリスは清相手に今で言うと深刻な貿易赤字を抱えていて苦しんでいたのだ。
「そこからだったな」
「はじまったな」
「それだけお茶が大事なんだな」
「この浮島でもな」
「だからどんどん売ってるな」
「他ならぬうち等が売ってな」
 即ち帝国がというのだ。
「地中湖沿岸でお茶を作って」
「浮島の南でな」
「コーヒーも作ってな」 
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「浮島全体に売ってな」
「これだけで莫大な利益を得てる」
「正直それだけで帝国はかなり潤ってるな」
「人はお水だけで生きていける」
 これを飲んでというのだ。
「それだけでな、けどな」
「お茶やコーヒーの味はな」
「一度味わうと忘れられんやろ」
「ああ、だからだな」
「売れるんや」
「そういうことだな」
「それでどんどん売って」
 そしてというのだ。
「儲けてくで」
「そういうこともしてくか」
「そや、お金は力や」
 美奈代は笑ってこうも言った。
「どんどん儲けてくで」
「それじゃあな、とにかく生水は飲むな」
 久志はこのことは強い声で言った。
「軍律にもしてるしな」
「そうよ、何気ない様でね」
 双葉もこの軍律について述べた。
「これがね」
「重要だよな」
「軍の衛生管理にね」
「そうだよな」
「若しそれが出来ていないと」
 その場合はというのだ。
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