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イヌカレたのはホノオのネッコ
第壱話「コマイヌとネコマタ」
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、両手腕を鳥のようにバタバタさせながら二、三歩踏み出す女性消防官。

抵抗虚しく遂にバランスを崩した彼女は、男性消防官と同様、派手にすっ転んだ。

「いってて……チクショウ、派手に転んだぁ……」
「いたたた……やっぱり不幸だ……え?」
「ん……?」

立ち上がろうとする二人。

だが、目の前に映ったものに一瞬、思考が止まる。

女性消防官が見たのは、男性のものと見られる2本の脚。

そして、男性消防官が見たものは……ムチムチと程よく肉の付いた健康的な太腿と、その間に存在する黒い布だった。

「………………」
「………………」

三拍ほどの沈黙。そして……

「「わあああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?」」

庁舎全体に聞こえるほどの絶叫であった。

「うるさッ!お前らちょっとはボリューム下げろよ!?」

先輩と呼ばれた男性、鬼灯 飛弾(ホオズキ ヒダマ)一等消防官は両耳を塞ぎながら訴えた。

「なんでまたラッキースケベられてるんだよー!興梠(コウロ)のド変態ー!!」
「俺だって好きでラキスケってるわけじゃないんだよ!!毎回毎回不幸な事故なんだよ古達(コタツ)ちゃん!!」
「だったらその“不幸体質”を何とかしろよー!!」
「古達ちゃんこそ、その“ラッキースケベられ”どうにかならないのかよ!?」
「お前らちったぁ俺の話も聞けよ!?」

互いから離れるなり、またもや言い争いを始めた後輩達に、ホオズキは頭を抱える。

「まったく……お前達はどうしてこう、いつも落ち着きがないんだ」
「だって興梠が!」
「だって古達ちゃんが!」
「うるせぇ!言い争ってないで、とっとと持ち場に戻れ!!」

このままでは、いつまで経っても埒が明かない。
ホオズキは2人を一喝すると、深く溜息を吐いた。

「ホント退屈しねぇな、お前らは……」



「何かと思って来てみたら、またいつもの2人か……」

そんな彼らを、遠巻きに見守る3人の男がいた。
いずれも白い神父服に身を包んでおり、只者ならぬ雰囲気を放っている。

「二等消防官の環 古達(タマキ コタツ)狛司 興梠(ハクジ コウロ)。入隊から既に5日は経っていますが……まだあんな調子なのですか?」

金髪糸目に黒い中折帽の男……フォイェン・リィが呟く。

「相変わらず犬と猫みたいな奴らが、犬と猫みてぇに騒ぎやがって。お陰で騒がしいったらありゃしねぇ」

藍色の髪を刈り上げにし、銀色のヘッドホンを耳に付けた男……カリム・フラムは、呆れたようにそう言った。

「まあ、若くていいじゃないか!俺はいいと思うぞ!少年少女の甘酸っぱい青春、くぅ〜……燃えてきたぜ!!」

そして、茶髪で
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