第1部
アッサラーム〜イシス
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ミッドについての情報を教えたら、ロズさんがお礼にこの『星降る腕輪』をくれたの」
「『星降る腕輪』だと?! 何であんなしがない考古学者がそんなレアアイテムを持ってるんだ?」
いやいや、しがない考古学者って、それをユウリが言っちゃダメでしょ。
「詳しくは知らないけど、ロズさんが女王様から頂いたんだって」
「あの女王がか?」
ユウリは虚を突かれたような顔で聞き返した。戸惑いながらうなずくと、何やら考え込んでいる。
「……?」
私が訝しげにユウリを見ると、急に彼は腕輪から視線をはずした。
「あの、これ……私が装備しててもいいかな?」
タイミングを見計らったつもりで、おずおずとユウリに聞いてみる。すると彼は表情を崩さず、
「別に、お前がもらったんなら好きにすればいいだろ」
そうあっさりと言ってくれた。どうやら取り越し苦労だったようで、私は心底ほっとした。
「それより早く出発するぞ。一度ルーラでロマリアに行ってから、関所に向かう」
ああ、そっか。ロマリアから行った方が関所に近いもんね。
「そういえば、女王様にはお会いできたの?」
「ああ。一応ピラミッドの報告も伝えてある。宝箱の中身も全部俺たちがもらっていいそうだ」
実質ピラミッドの宝が報酬のようなものだ。ユウリはそう付け加えた。
「あのピラミッドは長い間放置されていたようだが、今後はイシスの王族が再び管理するそうだ。観光地にでもすると言っていたが、あんな罠だらけの遺跡に客なんか集まらないと思うけどな」
確かに、命がけの落とし穴なんてある観光地なんて、誰も踏み入ったりはしないだろう。
イシスの今後が気になるところだが、私たちはまず船を手に入れるため、ポルトガに向かわなければならない。
お城を出てすぐに、ユウリがルーラの呪文を唱える。するとすぐに、私たちの体がふわりと宙に浮いた。そしてその瞬間、ものすごい早さでロマリアへと文字通り飛び立ったのだった。
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