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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アッサラーム〜イシス
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なんて、僕ぐらいかもしれませんが」
うーん、嬉しいけど、せっかく女王様がくれた宝物を、私たちが受け取ってしまって本当にいいんだろうか。
「せっかくロズさんがくれるって言ってるんだ、お前が受け取れよ。俺はもともと素早いし、お前が素早く動ければ、あの勇者の鼻っ柱を折ることができるかもしれねえぞ」

 横から顔を出したナギが、ひょいと私の手から腕輪を取り上げた。
「こいつを断ったら、ロズさんの気持ちも拒否するってことだぞ?」
 いつになく真摯な表情で、私を見据えるナギ。その言葉に私はハッとした。
「……ごめん、ロズさん。私、ロズさんの好意を踏みにじるところだった」
「いいんですよ、ミオさんが優しいのはわかってますから」
 そう言ってくれるロズさんの方が優しい。ちょっと変わってるかもしれないけど、人に対する思いやりがあるロズさんは、この短い間に私にたくさんの影響を与えてくれた。
「ありがとう、ロズさん。大事に使います」
「こちらこそ、ありがとうございます。あなたたちのおかげで、僕の大好きな考古学の研究がこれからも続けられます。感謝してもしきれないくらいだ」
「オレたちも、ロズさんがいなかったら魔法の鍵なんか手に入れなかったかもしれないし、すげー感謝してるよ」
「あたしも、ロズりんと会えて楽しかった! 色んなこと教えてもらったし、また来るからね!」
 四人それぞれ思い思いに挨拶を交わし、別れを惜しんだ。またイシスに立ち寄ることがあったら、ロズさんに会いに行こうと思う。
「ユウリさんにもよろしく伝えてください。また何かあればご助力しますよ」
「はい! ロズさんもお元気で!」
 私たちは笑顔でロズさんの研究所を後にし、王宮へと戻ることにした。



 以前待ち合わせした大広間に戻ってみると、すでにユウリが腕組みをして立っていた。
「遅い」
 鋭い口調で一言言い放つと、私の方をじっと見ているではないか。なんとなく近寄り難くなり、一歩引いてユウリの視線の先を探ると、それは私の右手首に向いていた。
「なんだそれは?」
 苛立ちよりも好奇心が勝ったのか、彼の方から近づいてきた。慌てて隠そうとしたが、ユウリに腕を掴まれる。
 その瞬間、腕輪を取り上げられるんじゃないかと私は内心ヒヤヒヤしていた。どれだけ価値のあるアイテムなのかはわからないが、王家の宝と言うくらいだから、相当値打ちのあるものなのだろう。アイテムに詳しいユウリなら、見ただけで物の良し悪しはわかるはずだ。
 そんな装備を私が身に着けているのを見たら、きっとお前には不相応だとか言うだろう。でも、せっかくロズさんが私にくれたんだ。はいそうですか、と安易に渡したくはない。もしそう言われたら、はっきり断ろう。
「あ、あの、えーとね、私たちが地図とかいろいろピラ
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