捕食する怪物
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
発生してはならない音が聞こえてくる。苦しそうな老人の声。それがやがて、人間の肉声から獣の唸り声に変わっていく。 熱い蒸気の中、老人のシルエットがどんどん人ならざる者へと変化していく。
やがて、蒸気が降り切れていく。
そこにいたのは、老人ではなかった。オニヤンマの体色を持った人型の怪物。それは看護婦に覆いかぶさる。
その動きに並々ならぬ危険を感じたハルトは、走り出す。覆いかぶさった怪物を蹴り飛ばし、看護婦を助け起こす。
「大丈夫です……か?」
ハルトは言葉を失う。
彼女の右肩。もう修復できるのかどうか疑いたくなるほど、食い散らかされていた。
ハルトは肩越しに、怪物の姿を改めて確認する。その口元を中心にした、赤い付着。間違いなく、
「人を……食おうとしてる……!」
再び怪物が動く。
「逃げて!」
ハルトが切羽詰まった声で叫ぶ。だが、看護婦は重傷により逃げられない。
「ハルトさん! 私が!」
そんな看護婦は、可奈美がその肩を貸して病院へ向かう。
彼女を見送ったのと同時に、ハルトに狙いを定めた怪物が、こちらに襲い来る。
ハルトはその攻撃を受け流しながら、指輪をかざす。
「何だ……? この怪物?」
『ドライバー オン』
指輪の魔力により、銀色のベルトが出現する。ハンドオーサーを操作して、ベルトを起動させると同時に、怪物の攻撃を平手で流す。
『シャバドゥビタッチ ヘンシーン シャバドゥビタッチ ヘンシーン』
耳に馴染む音声。ルビーの指輪を取り出したと同時に、また怪物の突進が来る。それは、ハルトの右手を弾き、ルビーの指輪を地面に落とす。
「しまっ……!」
拾い上げようとするが、また怪物が迫る。その暇はないと、ハルトは別の指輪を取り出した。
「変身!」
『ランド プリーズ』
黄色の魔法陣が、足元に出現する。
『ドッドッ ド ド ド ドンッドンッ ドッドッドン』
怪物と取っ組み合う、黄色のウィザード。力勝負には、土のウィザードに分があった。地面に叩きつける。
「________!」
怪物が起き上がる。ウィザードをじっと睨む怪物は、やがて翼を振動させながらこちらへ攻め入る。
『ディフェンド プリーズ』
出現した土壁が、怪物を塞ぐ。続けての回転蹴りで、怪物を地面に転がす。
「_________!」
怪物は、再び空へ飛びあがる。
逃がさないと、ウィザーソードガンで発砲する。しかし、素早いその動きにウィザードは命中できない。
「空中なら!」
『ハリケーン プリーズ』
頭上に出現した緑の魔法陣。それにより、ウィザードは土より風へ変わる。
『フー フー フ―フー フ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ