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Fate/WizarDragonknight
捕食する怪物
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発生してはならない音が聞こえてくる。苦しそうな老人の声。それがやがて、人間の肉声から獣の唸り声に変わっていく。 熱い蒸気の中、老人のシルエットがどんどん人ならざる者へと変化していく。
 やがて、蒸気が降り切れていく。
 そこにいたのは、老人ではなかった。オニヤンマの体色を持った人型の怪物。それは看護婦に覆いかぶさる。
 その動きに並々ならぬ危険を感じたハルトは、走り出す。覆いかぶさった怪物を蹴り飛ばし、看護婦を助け起こす。

「大丈夫です……か?」

 ハルトは言葉を失う。
 彼女の右肩。もう修復できるのかどうか疑いたくなるほど、食い散らかされていた。
 ハルトは肩越しに、怪物の姿を改めて確認する。その口元を中心にした、赤い付着。間違いなく、

「人を……食おうとしてる……!」

 再び怪物が動く。

「逃げて!」

 ハルトが切羽詰まった声で叫ぶ。だが、看護婦は重傷により逃げられない。

「ハルトさん! 私が!」

 そんな看護婦は、可奈美がその肩を貸して病院へ向かう。
 彼女を見送ったのと同時に、ハルトに狙いを定めた怪物が、こちらに襲い来る。
 ハルトはその攻撃を受け流しながら、指輪をかざす。

「何だ……? この怪物?」
『ドライバー オン』

 指輪の魔力により、銀色のベルトが出現する。ハンドオーサーを操作して、ベルトを起動させると同時に、怪物の攻撃を平手で流す。

『シャバドゥビタッチ ヘンシーン シャバドゥビタッチ ヘンシーン』

 耳に馴染む音声。ルビーの指輪を取り出したと同時に、また怪物の突進が来る。それは、ハルトの右手を弾き、ルビーの指輪を地面に落とす。

「しまっ……!」

 拾い上げようとするが、また怪物が迫る。その暇はないと、ハルトは別の指輪を取り出した。

「変身!」
『ランド プリーズ』

 黄色の魔法陣が、足元に出現する。

『ドッドッ ド ド ド ドンッドンッ ドッドッドン』

 怪物と取っ組み合う、黄色のウィザード。力勝負には、土のウィザードに分があった。地面に叩きつける。

「________!」

 怪物が起き上がる。ウィザードをじっと睨む怪物は、やがて翼を振動させながらこちらへ攻め入る。

『ディフェンド プリーズ』

 出現した土壁が、怪物を塞ぐ。続けての回転蹴りで、怪物を地面に転がす。

「_________!」

 怪物は、再び空へ飛びあがる。
 逃がさないと、ウィザーソードガンで発砲する。しかし、素早いその動きにウィザードは命中できない。

「空中なら!」
『ハリケーン プリーズ』

 頭上に出現した緑の魔法陣。それにより、ウィザードは土より風へ変わる。

『フー フー フ―フー フ
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