暁 〜小説投稿サイト〜
日本国召喚〜Country survival〜
邂逅編
第2話 交流と迫る不穏
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から受け継いだ犬のそれそのものの形状をした耳を持ち、腕や胸元も体毛によって軍服はやや膨れ上がっていた。

「最近、我が国が急速に近代化している事を受けて、フィルアデス大陸の覇者、パーパルディア皇国との貿易を活発化させている模様です。彼の国は我が国やクイラ王国から拉致した者達や国内の奴隷を輸出して外貨や技術を獲得し、軍事力の強化に努めているとの事です。加えて密偵からの情報では、国境線一帯に補給兼攻勢用の軍事基地の建設も進めているとも…」

「確かに、それが気がかりなのだよ。今、質の面でロウリア王国を上回っているが、それには『魔法』が介していない。もしロウリアがこちらの知らぬ魔法を用いて攻撃してきた場合、我らは甚大な被害を受ける事になりかねん…それに、この近くではニホン人の移民が呑気にも村を作って開拓を行っている…彼らの保護も課題だ…」

 ノウはそう呟きながら、遥か西の方角を睨みつけるのだった。

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ロデニウス大陸西部 ロウリア王国 王都ジン・ハーク

 総面積ではオーストラリア大陸の半分程度もあるロデニウス大陸の西部、200万?もの広大な領土を支配するロウリア王国の首都ジン・ハーク。
城塞都市の中心部に聳え立つ王城ハーク城の会議室では、十数人の男達が集まり、会議を開いていた。

「我らがロウリア大王、準備は全て整いました」

 筋肉が鎧の上からでも確認出来るほどの筋骨隆々な肉体で、顎に黒髭を生やした30代くらいの男、王国軍将軍パタジン・ジン・デーンはそう報告し、第34代ロウリア王国大王、ハーク・ロウリア34世に対して頭を下げる。

「うむ、皆の者。これまでの準備期間、ある者は厳しい訓練に耐え、ある者は財源確保に寝る間を惜しんで背走し、またある者は命をかけて敵国の情報を掴んできた。皆大儀であった。亜人……害獣どもをロデニウス大陸から駆逐することは、先代大王からの大願である」

 エルフや獣人などからなる亜人をロデニウス大陸から駆逐するのが夢という、全く以て迷惑な大願である。が、それをロウリアは10年もかけて本気で取り組んできた。王の言う通り、それは実に大変なことであった。

「その遺志を継ぐ為、諸君らは必死で取り組んでくれた。まずは諸君らの働きに礼を言おう」

 この世界において『列強』と呼ばれる大国の一つであるパーパルディア皇国に頭を下げ、屈辱的な要求ですら飲み、10年間でここまでの戦力を揃えた。そのことに対して、ロウリア王は臣下に礼を言いたかった。

「おお……」

「なんと、恐れ多い事か…」

 皆が王の行いに恐縮する中、ハーク・ロウリア34世は言葉を続ける。

「では諸君……会議を始めよう。パタジンよ、説明を始めてくれ」

 ロウリア王の指
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