暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-D侵撃のT.C.〜4th wave〜
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後ろ脚による蹴りだ。アリサは攻撃を中断し、ソードブレイカーを盾として使い防いだが、「っとと!」大きく蹴り飛ばされてしまった。

「いいだろう! 徹底的に戦おうではな――・・・なに?」

フランベルジュを振り上げ、今まさにアルトワルドを走らせようとしていた奴の様子が変わる。そう、まるで思念通話でも入ったかのような・・・。それが正しいことを示すかのように奴の戦意がみるみるうちに薄くなっていくのが判り、私は「逃がすな! 退くつもりだぞ!」と声を上げ、“レヴァンティン”を振り上げつつ突進する。

「やってくれたな騎士! 私たちが狙っていた標的が保管庫に無いと知らせが入ったぞ!」

「やっぱり別働隊が居たのね!」

「召喚獣だけでなく召喚者であるあなたも陽動に参加する、というのが証明されたわけですね!」

『へっ! ミッド地上本部をあんましなめんなよ!』

「首都防衛隊として、地上本部に混乱をもたらしたあんたを逮捕するわ!」

ミッドまでの地上本部すべてが奴の陽動に嵌り、ロストロギアなどの物品の奪取を許している。陽動の手段が一切変わらないのなら、対抗策も立てやすいというもの。我々の陽動に成功し、奪取を容易く行えると奴らは笑っていたのだろうが、それが失敗して今はどんな気持ちなのだろうな。

「対策を立てられ易いというのは判っていたとも。悔しくなんかないぞ。・・・さて、私の本心に従うのならまだ戦っていたいが、これで退散させてもらう!」

「逃がさないってば!」

――イジェクティブ・ファイア――

「せめて召喚者だけでも・・・!」

――翔け抜けし勇猛なる光条――

アリサとトリシュが砲撃を放ったが、アルトワルドの高機動には対応できずに掠ることもなかった。召喚者である奴が逃走したことで、周囲の召喚獣の姿も薄くなり、そして消滅した。

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