暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-D侵撃のT.C.〜4th wave〜
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した。狙いは魔法陣を足場として佇んでいるトリシュ。空戦の出来ないトリシュに向かわせるわけにはいかん。助けに入るために私とアンジェリエは宙を蹴り、トリシュと奴の間に割り込もうとする。

『アギト!』

『おう! 炎熱加速!!』

「この・・・!」

――天翔けし俊敏なる啄木鳥――

それより早くトリシュは“イゾルデ”を構え、高速魔力矢を射た。高速で奔る魔力矢とアルトワルドを駆る奴が真正面から激突。奴はフランベルジュの腹を盾とすることで矢を防ぎ、そして私とアンジェリエが立ち塞がるとアルトワルドの背から飛び立った。奴は我々の頭上を飛び越え、アルトワルドだけがそのまま突っ込んできた。

「逃がさん!」

――紫電一閃――

「止まりなさい!」

――シュテルケンシュラーク――

私は奴へ、アンジェリエはアルトワルドへとデバイスを振るった。私の一撃は奴の尾針で止められたが、力ずくで弾き飛ばすことで奴の体勢を崩すことには成功した。アルトワルドは馬の形を破棄して雷撃となることで、アンジェリエの攻撃を回避。さらに私の横を素通り。狙いはやはりトリシュのままだった。トリシュは自ら魔法陣から後ろ向きに飛び降り、雷撃となっているアルトワルドの突進を回避。通り過ぎたアルトワルドは奴の元に戻ってから再び馬の姿へと成った。

「私が空戦が出来ないと考えてのターゲットですか?」

地面に激突する前に新たな足場を展開して降り立ったトリシュが右手の指に4本の魔力矢を挟み込み、“イゾルデ”の魔力弦に番えながら奴に問う。アルトワルドに跨り直した奴は「カノンという魔術師を知っているか?」と聞いてきた。当然知らない我々は無言だ。

「魔術師にとって恐ろしいのは遠距離特化、固定砲台の魔術師なのだ。カノンという小娘は数q先、十数q先、果てには転移能力を使って砲撃を他世界にまで放ってくる悪魔のような魔術師だった。そこまでの恐ろしい砲台はなかなか居ないが厄介であることには変わりない。それゆえに狙えるのならば真っ先に墜とすのが常識だ」

――フォックスバット・ラン――

「そう。なら、今度はあたしも狙ってみなさい」

「・・・」

まばたきの間で奴の背後にまで跳んで来たアリサは、奇襲など無意味とでも言うように焦ることなくハサミで迎撃に入る奴へと“フレイムアイズ”を振るう。“フレイムアイズ”の現形態はヴァラーフォームで、長い銃身の両側に反りの無い直刀が2つと付く1m半ほどの大剣と、1mほどのソードブレイカーというもので、柄頭から伸びる魔力ケーブルが二剣を繋いでいる。

「バーニングスラッシュ!」

迎撃として迫る2つのハサミを受けて捌いたのは右手に持つ大剣で、左手の炎を纏うソードブレイカーで奴に斬りかかる。それを迎撃するのはアルトワルドの
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