暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-D侵撃のT.C.〜4th wave〜
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増えてしまいますね。射線を地上ではなく空へ向けなければ」

防護服の両腕の袖が消し飛んでいるトリシュは地面に突き立てていた“イゾルデ”を手に取り、階段状の足場を展開して空へと駆け上がってきた。奴はそんなトリシュの動きを妨害するような真似をせず、「ハンデがある中での一対多数戦。フッ、燃える」と、笑ったのか肩を揺らした奴の周囲にさらに渦が2つと出現した。

「させん!」「「させない!」」

別の召喚獣を召喚するのだと判る。渦から漏れ出る魔力には神秘を感じるため、すぐに阻止に移る。私は“レヴァンティン”を振るい、奴ではなく渦に向けて「火竜爪!」と炎の斬撃を飛ばす。

「アンジェは召喚者を!」

――翔け抜けし勇猛なる光条――

「了解!」

――シュラーゲンファーネ――

トリシュはもう1つの渦へと砲撃を放った。アンジェリエはデバイス全体を魔力幕で覆った“ジークファーネ”で、召喚が終わるまで佇んだままでいるつもりなのか判らない奴へと殴り掛かった。奴は頭上に掲げた2つのハサミで“ジークファーネ”を受け止め、アンジェリエの腹を殴ろうと両腕を引いたがそれより早く、「でぇい!」と彼女の両足による踏み蹴りが奴の胸を打った。

「む?」

「グリッツェンフェッセルン!」

蹴り飛ばされた奴に向かって、アンジェリエは再び魔力幕を伸長させて相手を拘束するバインドを発動。だが魔力幕は振り回された尾によって粉砕された。私とトリシュの攻撃は渦に直撃し、渦を霧散させることに成功していた。召喚は阻止できた、そう考えていたのだが・・・。
  
「「「っ!?」」」

この近くではない、離れたところに出現した神秘の魔力を感じた。そちらへと目を向ければ馬の形をした放電する電撃の塊と、その雷馬に追従するように蛇のごとく空中を這う、フォヴニス以上に既視感を覚える黒い炎も向かって来ていた。

『な、なぁシグナム。気の所為かな? あたし、なんか、あの黒い炎知ってる気がするんだけど・・・』

『偶然だな。私もだ』

フォヴニス以上に見知った感を覚える黒い炎に、私とアギトは気持ちを同じにしていた。

「純雷の皇馬アルトワルドと業火の眷属ゼルファーダ。神秘を失って久しいこの下位次元で召喚できるギリギリのレベルだ。ま、貴様ら相手には十分だ。来い!」

雷馬アルトワルドの背に跨る奴の右手に黒炎ゼルファーダが纏わり付き、漆黒の炎が揺らめく大剣フランベルジュへと変化した。召喚獣を武装化させて装備する召喚魔導師、いや召喚魔術師など聞いたことがない。いやまぁ相手は魔術全盛時代の子孫なのだから、それより生まれの遅い私が聞いたことがないのは当たり前なのだが。

「〈ΠШз#>!」

アルトワルドが生物とは思えない異質な鳴き声を発すると同時に駆け出
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