暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga17-D侵撃のT.C.〜4th wave〜
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と火炎の二重攻撃でゴリラの全身を斬り、そして焼いた。連結刃の拘束から逃れるだけの力も失ったようで、仰向けに倒れこんだかと思えばゴリラは魔力となって霧散した。過度のダメージを負っての強制召喚解除だったようだな。
「最後の避難者グループです!」
私やアリサの隊とは別の隊の5人が、局員や民間人合わせて8名を護衛してやって来た。彼らに召喚獣が向わないように次の相手、誰とも戦っていない巨大なサイと対峙しようとしたのだが、ふっと違和感を覚えたことで通り過ぎようとしていた避難者グループを二度見した。民間人ではなくとある局員を注視し、そして「待て!」と呼び止めた。
「シグナム一尉・・・?」
「トミー三佐は残っていただけますか?」
避難する局員の中に居た初老の男性、トミー三等陸佐が違和感の原因だ。名指しで呼び止められたことで困惑していらっしゃる彼には「少しお時間を頂きたく」と伝え、他の避難者には「他の皆さんはお早く」と促した。他の避難者が本部に駆け込むのを横目で確認しつつ、意識は彼に集中する。
「八神一尉。どういうつもりだね? こんな戦場の中で魔導師ではない私を呼び止めるなど正気かね?」
「申し訳なくは思っております。しかしトミー三佐は一昨日から明後日まで、ザンクト・オルフェンにて甥御さん、アレックスさんの結婚式にご列席なさっているはずと思った次第でして」
「あ、ああ。魔法を使えず戦えなくとも三佐の階級を頂く身。アレックスには申し訳なかったが栄えあるミッドチルダ地上本部の危機である。ザンクト・オルフェンでの休暇を切り上げて参上したのだが、危険だからと避難者の仲間入りに――」
最後まで言い切らせるより先に“レヴァンティン”の峰で斬りかかると、目の前の奴は咄嗟に掲げた左前腕部で受けることで私の一撃を防いだ。騎士にあるまじき不意打ちだったのだが、こうも容易く反応されるとはな。しかも手応えからして骨を折るどころか肌にすらも傷付けていないだろう。
(ああ、間違いない。神秘の有る魔力で防がれた際の手応えだ)
「何をする!? 上官である私への攻撃など馬鹿げている!!」
「馬鹿なのは貴様だ。私はトミー三佐とは呼ばん。ファミリーネームのブラック三佐と呼ぶ。そしてブラック三佐は、私のことをシグナム一尉と呼ぶ。八神という姓持ちは我ら八神家のみだが、八神と呼ばれるのは我らが主、八神はやてのみ。さらに言えば! ブラック三佐の休暇は4日前からであり、行き先はザンクト・オルフェンではなく第13管理世界リムヴァユニオン! 甥御さんの結婚式ではなく姪御さんの結婚式だ!」
――紫電一閃――
先ほどの峰打ちには大して魔力を込めていなかったが、今度は本気で討ちにいく。半身になることで私の一撃を躱した奴の姿が揺らぎ、管理外世界などでよ
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